2017年8月4日金曜日

GPD Pocket

出資して届くころには飽きているか忘れている系のクラウドファンディング産プロダクトである『GPD Pocket』が届きました。やったー。

https://www.indiegogo.com/projects/gpd-pocket-7-0-umpc-laptop-ubuntu-or-win-10-os-laptop--2#/

思ったよりはまともな外見をしていて、ちょっとびっくり。この数割は悪いという状況を想定していた。TrackPointの先は一瞬でThinkPadのロープロファイルタイプに変更しました。

キーボードの印字が大きくてダサいなーと昔から思ってたんですが、やはり印字がでかい。この半分くらいでいいのでは……。
キー配置は主要キーはわりとまともに配置されていますが、ちょっと主要じゃなくなると突如変態配列になります。あとこの巨大なDelキーは何だ……

パココンとしての性能を紹介しておきましょうか。4コア4スレッドのAtom x7シリーズに、8GBメモリ、128GB SSD、そして7インチの1920x1200パネルを組み合わせた商品です。この手のUMPCとして、もうこれ以上望むべくは、というところまでやってきましたね。筆者の大好きなUMID mbook M1と比べると雲泥の差です。

通常サイズのUSBポート(つまりタイプA)も積んでいますが、PD対応のUSB-Cポートがあるので、給電はここから行うのが通常です。もちろん給電以外もできるので(メーカー非推奨)、USB-A変換を咬まして汎用機器を使うとかできます(のちに詳述)。

ところで、本体と一緒に6.44インチのファブレットと初期設定用のUSBメモリを見ていて、どれが大きいのかどれが小さいのか分からなくなりました。

初期不良踏んだ

本体がある程度暖まらないと(?)キーボードのFJKLのあたりと右クリックが効かないので、初期不良くさい。あとタッチパネルの上側3cmくらいが効かない。とりあえずセラーにコンタクトを取りました。まあ、Indiegogo産のプロダクトなんてこんなもんだよねというクオリティではある。

こういう中華赤軸のモバイルキーボードでも上に載せるかと思ったけど、実は本体が暖まるのも早いのでまあ交換品来るまでは今のままでもいいかな……

https://www.donya.jp/item/74759.html

しかし、初回ロットはもっと酷い不具合もたくさんあったみたいなので、二次ロットになってよかったというのもある。

BIOSとかドライバとか

以下(一応GPD公式)にまとまっているっぽい。中国語なので頑張って読んで。

http://tieba.baidu.com/p/5214486061

BIOSはどのバージョンにも不具合があって、今のところは出荷状態そのままで使うかみたいな気持ち。

2ボタンTrackPointだけどスクロールしたい

これには『W10Wheel.NET』というアプリが便利です。

https://github.com/ykon/w10wheel.net

起動したらタスクトレイのアイコンを右クリックして [Trigger] - [LR (Left <<---->> Right)] を有効化。これでTrackPointのボタン左右同時押しでスクロールが可能に。あと、[Accel Table] あたりで加速度の設定ができます。べんり。

これ昔のThinkPadでよく行われていたライフハックだと思うんだけど、最近の人そういうの知らないからあんまやられてない。

7インチFHDのスケーリング100%設定はつらい

画面のスケーリング設定を150%にして使っています。あと、MacTypeを入れて設定することで、フォントのウェイトが若干太めに描画されるようになるので、そのようにしています。

Photoshopなんかはちゃんとスケーリングしないので、100%のまま使えるし問題ない。

バッテリーの持ち時間

うーん。ぼくの使い方で4時間くらいと言ったところですかねえ。期待値よりは少ないけど、だいたいのことはiPad Proでもできるのでそんなにクリティカルではない。

スリープがめっちゃバッテリーを食う

管理者コマンドプロンプトで以下を実行すると休止状態が使えるようになるので、休止状態を使うようにすればよさそう。

powercfg.exe /h on

ハイブリッドスリープでがんばろうという向きもあるようです。

http://www.miyake.me/2017/08/gpd-pocket.html

何にしてもACPI周りがガバガバなので、いろいろなところで漏れてそう(LCD背面とかビリビリ来る)。

充電時間

1時間で約半分という触れ込みで作られていて、USB-C PD対応品で充電する限りでは実際そんな感じです。付属ACアダプタの際は、PDの規格上限を上回る数値で充電されるのでさらに速い。ただし、電源を切っていても充電中は冷却ファンが回り続けます。

MacBook用のUSB-C 電源アダプタ(29W)を使うと充電量が緩やかになるので、バッテリーにも優しいしそのようにしています。AnkerのUSB-C PDポートは45Wくらい出るので急速充電っぽい。

あと、USB-Cポートは充電専用と考えたほうがよくて、USB-C Hubなどを経由して充電しようとすると、サージカル周りがしっかりしていない製品だと逆流して壊れます。なので、USB-A変換をかけて通常のUSBポートとして使うくらいに留めておいたほうがよいっぽい。あくまでもUSB PDで充電するためのポートです。

OSX86はどうしたの?

プロセッサがAtomなのでカーネルにパッチを充てれば行けそうだけど、尋常ではない手間がかかる。GPUがIntel HD 405なのでインジェクトでQE/CI行けるかは謎ですね。キーボードとマウスはUSB HID接続ですが、ちょっと特殊な気もするのでどうだろう。全般的に考えると無理なので、諦めてVMwareを使いましょう。

総合的には?

割と遊べるし中身はそこそこ素直なAtom〝タブレット〟なので、厳格な商品性を求めなければアリなプロダクトだと思います。そう、基本はタブレット向けSoCなので、付いているいろんなものはオマケ。7インチでクラムシェル型のUMPC的なやつって記憶の限りでは出たことがなくて、斬新な大きさでもあります。
キーボードのピッチをもう少し縮めて、もっと素直な配置にすればよかったのではと思わないでもないけど、打てないほど異常な配置ではないので気にしすぎるとよくない。キートップのデザインだけ、ちゃんとデザイナーに頼むべきでしたね。