2017年12月1日金曜日

SONY WF-1000X

サブブランドなどがないみたいなんですが、とにかく完全左右独立型のワイヤレスイヤホンです。AirPodsの周囲の音の取り込み具合がなんとかならんかと、ノイズキャンセリング付きのこの製品に至りました。ほぼ同時期に出たBOSEの完全ワイヤレスにノイキャンあれば、そっちを買ってたと思う。

ファームウェア更新で化けます。初期ファームウェアだと、首を左右にゆっくり振るだけで右の音が途切れたりしてたんですが、そういうことがなくなりました。
バッテリー稼働時間が実働2.5時間くらいなので、ノイキャンで生きていられる時間は結構限られます。国内線のフライトに何とか耐えられるくらい。

肝心のサウンドは、かなりいい線行ってると思います。下から上までまんべんなく表現されていて、Bluetooth接続故の簡略化した点はそうそう感じられません。「静かな場所では」下手なワイヤードのイヤホンより再現力高いサウンドが体感できると思いますよ。

ノイキャンをオンにしたときの不自然さも薄めで、逆を言えば効果を感じづらいです。電車内なんかだとうまく働きますが、雑踏などでのノイズが一定でない場所ではあまり効果がない。

ノイズキャンセリングを飛行機で試してみる

ちょうど香港へのフライト予定があったので、機内で試してみることにしました。機材は香港エクスプレス航空のA320-200。新造機ではないのでかなりうるさいです。

ノイキャンを入れると、体感的にノイズの音量が1/4くらい低減されたような気がします。BOSEに比べるとまだ全然うるさい。音楽を再生すると電車内でAirPodsを使っているくらいの騒音に落ち着きます。エンジンノイズが消えるわけではありません。つまり、ノイズをキャンセルする効果は力量が足りていないです。

ノイキャンをオフにするともう音楽としては体をなしていない感じ。アンビエントモードもさすがに航空機のノイズには無力で、隣との会話も成り立ちません。

音楽としてはノイキャンがあったほうが楽しめますが、この場合2.5時間の壁が立ちふさがるので、やはり長旅には向いていないように思います。イヤーパッドと音楽の音量によってはこれより遮音性が高いものがあるかもしれません。あえて言えば、音量をそれほど上げずとも音楽が聴けるということがメリットです。

総合的にストレスの度合いとしてはふつうのイヤホンでの電車内くらいということで、ぼくとしてはフライトで使うならBOSEのQuiet Comfort/Controlシリーズをおすすめしたいです。値段ももうちょっと出せば行けるし。たぶん、ソニーのエンジニアとしては電車で使うことくらいしか考えていなかったんだと思う。

一応評価しておくとすれば、BeatsのStudioシリーズよりはノイキャン効果が感じられます。ただ、イヤホンとヘッドホンという違いがあるのと、そもそもの音場再現力はあちらのほうが上です。

新造機で試してみると……

帰りのフライトが2017年10月就航のA321-231だったので、そちらでも試してみました。結論から行くと、A320での評価から一変して、かなりのレベルでノイキャンが効きます。元々のエンジンノイズが低めであること、機体が大きいのでノイズが分散することなどから、少しは有利な音場になったようです。
ただし、人の声を通すはずのノイキャンモードでもフライトアテンダントの放送がよく聞こえなかったり、ノイズの発生源が複数であると効きが微妙というのは残ります。
そして、最大のデメリットとしてのバッテリー稼働時間が追い打ちをかけてくるので、やはり国際線ではつらいです。

エアバスの機体は比較的うるさめなので、おそらくは、ですが、B767-300ERやB787などのボーイング新造機だとかなり効果が期待できるのではないでしょうか。

総合評価

航空機がもっと静かな機体だったらもしかすると評価が違ったかもしれませんが、いやそんなこともないな、ノイキャンの力が弱いのが非常に残念なところで、次にバッテリー稼働時間が短いということが残念なところです。
音楽としての音の楽しさはAirPodsより全然上ですし、そのもの自体(ノイキャン関係ないところ)の遮音性も高いので、そこを重視するユーザーにはハマると思います。ぼくもこの音作り自体はすごく好きです。そのぶん残念なところに目が行きやすいですね。全体としてはこれがソニーの第1世代なので、次に期待という感じでしょうか。