2017年1月13日金曜日

Westone Bluetooth Cable (WST-BLUETOOTH)

こんなケーブルが出ていたことを知らなかったのですが、Westoneといえばぶっとい純正ケーブルのところ、スマートなフラットケーブルのBluetoothケーブルが出ていました。約17,000円。

70cmのケーブル全体で14gしかないとのことで、これで8時間再生・200時間待受を謳っていて、Bluetooth 4.0効果を感じます。対応コーデックは aptX, SBC, AAC。対応プロファイルは A2DP, AVRCP, HFP, HSP。DAC(チップセット)はQualcomm CSR8645なので、そこそこ暖かみのある音が鳴るのではないでしょうか。MMCX端子なので、Westone以外のたいていのMMCX採用ドライバにも刺さると思います(なにせWestoneは太いので……)。

Westone UM pro50には、さすが純正だけにしっかり刺さります(抜けないくらいに)。右側にコントローラ・左側にバッテリーがそれぞれぶら下がっていて、これはつまり7gずつのウェイト負担なので、耳への負荷はどうかなと思ったのですが、普段遣いのケーブルのほうが重いのでそんなことは杞憂でしたね。

装着感としては、ぼくは体の後ろに回す取り付け方に慣れているのでいいのですが、そうでない人は違和感があるかもしれません。重量的には本当に何も感じないくらい軽いので、両耳の後ろにあるユニットの存在感に慣れると快適です。

取り回しの観点だと、耳にかかる部分のケーブルが柔らかいので、耳の形に添ってくれなくてちょっとマイナスポイントです。もう少し堅いケーブルだとよいですね。

iPod touchではBluetooth接続すると、通知アイコンにバッテリー残量が表示されます。これは地味に便利。

再生と一時停止はPowerボタン、Vol+を長押しで次の曲・Vol-を長押しで前の曲といったあたりが標準的な操作ですが、そのほかはテックウィンドが日本語のクイックスタートガイドを公開しているので、そちらを見るといいのではないでしょうか。

音的なことでは、低音の薄さと全体的に丸まった感じのサウンドがこのケーブルの特徴であり、Bluetooth所以のことだと思います。

本来のUM pro50は広域でかっちりとしたモニタ寄りのサウンドですが、これの再現域はかなり狭まったと感じます。パッケージには〝Full Resolution Sound〟とありますが、ちょっと苦しいです。UM pro30あたりなら合うかもしれません。

iPod touchでは個人的にはイコライザをAcousticにすると、それなりに低音も出てよいように感じました。

ケーブルのコストパフォーマンスで考える音としてはまったくよくありませんが、Bluetoothとしてはがんばっていると思います。aptX/AAC効果はあると感じます。ただ、同じ金額を出せば高級な部類のワイヤードなケーブルが入手できるので、とにかくそこだけですね。

BA式のフルレンジイヤモニだけで評価を下すのは早計だと思いますので、ドライバをSHURE SE215へすげ替えてみましょう。安価なダイナミック式では評価の高いドライバです。

SE215では元よりの低音の太さも相まって、(弱まることによって相対的に)バランスの取れたサウンドになります。SPEだともう少し低音が強いので、そういう傾向のドライバを選んでいくことで、このケーブルの特性を補えるかもしれません。どちらかというと、BAよりはダイナミックやハイブリットタイプのほうが向いているでしょう。

また、SHUREだとケーブルの脱着がしやすいのですが、WestoneのMMCXコネクタだときっちりはまりすぎて脱着がしづらいです。Westoneはドライバ1組丸ごとBT専用機にしろとでも言うのか。具体的にはUM pro50が全然外れなくって大変厳しい気持ちになりました。