いわゆるデジイチはこれが初めてのような気がする。最後に使ったフィルム一眼はNikon New FM2 Titanです。なんかずっとセンササイズとレンズ規格のことで悶々としながら〝高級コンデジ〟で自分をごまかしているうちに10年くらい経ってしまった。
10年のうちに買おうかなみたいな気持ちになったのは、PanasonicのGMシリーズやPentaxのQシリーズで、どちらもレンズ展開がクソだったりセンササイズがクソだったりで最終的な購買決定には至らなかった。NikonのJ3も、まあ今思えばNikonへの未練を断ち切る要因になったかな(換算800mmの望遠はうらやましいが)。
NEXに関しては、わりとEマウントレンズシステムがそれなりに全域をそつなくカバーするラインアップなことと、単焦点で明るいレンズが多いこと、それから標準ズームが比較的コンパクトでパワーズームもあること、はよいと思う。あと、5RからはAFがコントラスト検出に加えて位相差検出が加わって合焦が格段に速くなったのもよいですね。
5R/5Tと6が中身全然違わないことと、6みたいに内蔵EVFと内蔵フラッシュ要らないでしょってあたりはモデルラインアップが統合されていけば落ち着くのかな。EVF、老眼のオジイチャンになると重要らしいけど普通に考えて大画面LCD付いてるんだし不要です。機材に合わせて自分を最適化できなかった人の言い訳だと思う。
あと、単純にNEXは極限まで研ぎ澄まされたコンパクトさがかっこいいと思うので、6の路線にはあんまり行ってほしくないですね(Eマウントででかいのならα7があるやんけ)。
5Rと5Tは、1年新しい5T(現行)に付いてるNFCが5Rにはないだけでその他はまったく同じモデルなので、Wi-Fiのペアリングが面倒でなければ5Tである必要はそんなないです。
入手の経緯としては、ぼくのQX10を見た得意先の中国人(まあ自社にも客にも中国人しかいないんだけど)が「それ欲しい! 今すぐ欲しい!! そうだ、使ってないソニーの一眼があるから交換してよ!!」って言い始めて、いやーどうせNEX-3とかだろって思ってたらNEX-5R出てきてビックリ、みたいな感じです。明らかに等価交換でない。
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- パワーズームレンズキット: Black | White | Silver
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- パワーズームレンズキット: Black | White | Silver
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- モニター保護セミハードシート: PCK-LM13
NEX-5R/Tは、買うなら標準のパワーズームレンズ『SELP1650』(16-50mm F3.5-5.6)は付けておいて損はないと思います。いわゆるパンケーキレンズみたいな外見で薄いので、邪魔にはならないし描写力もそこそこ。ボディ単体とレンズキットでほとんど値段変わらないわりに、レンズ単品で買うと結構高い。
ちょっとズームしてカメラに任せた撮って出し(長辺1024pxへのリサイズのみ、以下同様)。キットレンズとしては充分すぎるのでは。後ろのボケ味が欲しいとかそういうときは別のレンズを使いましょう。
フルサイズの35mm判換算でだいたい24-75mm相当なので、これより寄りたければマクロレンズの世界だし、これより遠くを写したければ望遠の世界です。たぶん寄るほうが多いと思うのですが、これはもしかするとサブのコンデジでも買ったほうが現実的かもしれません。
ただ、他のEマウントレンズはほとんどが49mm径なんですがなぜかこのレンズだけ40.5mmなので、他のレンズを買う気持ちがあってフィルタとか買うときは、40.5mmのフィルタを買うより49mmに変換するアダプタを噛ませたほうがいいと思います。共用できる。
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- ステップアップリング: 40.5mm→49mm
C-PL(円偏光=サーキュラ)フィルタなんかをメーカーが純正で用意しているのもおもしろいと思います。PL(ND)フィルタは-8段だし日食撮るとかには使えなさそう。フィルタをメーカー純正にこだわる必要性はないのですが、ソニー製のフィルタはカールツァイスのOEM品で、T*コーティングが施されています。
携帯電話のカメラ機能やコンデジからステップアップした場合は、C-PLフィルタを自分で回して調節してガラスや水面や空を写したときに感動できるんじゃないでしょうかね。
これは角度的にわざとガラス面下半分の写り込み(Apple Cinema DisplayのLCD面からの映り込み)を残してますが、まったく同一の撮影条件でC-PLフィルタのない状態(上)と効果が最大限のときの状態(下)です。光の乱反射を抑えるので、このような効果が得られます。
レンズは、キットレンズを持っているなら、もっと寄りたいときかもっと描写力が欲しいときかもっと遠くを写したいときしかないと思うので、たぶん以下の4本を(必要に応じて)買い足せばいいんじゃないかな。
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- 35mm F1.8: SEL35F18
- 50mm F1.8: SEL50F18
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- 30mm F3.5: SEL30M35
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- 18-200mm F3.5-6.3: SEL18200
キットレンズはマクロができないので除外されるけど、単焦点の2本は焦点距離だけならキットレンズに内包される領域です。ただ、F値が全然違うので被写界深度がまったく異なります。それだけ描写力は高い。
換算約50mmの単焦点レンズ『SEL35F18』は、個人的には最初におすすめしたい1本です。NEXって何も考えずに撮るとガンガン増感してISO1600とかISO3200なんて数値を頻繁に目にして、「ISO800からはザラザラしてダメでしょ!」みたいな昭和のフィルムカメラの常識にとらわれてると一瞬エッと思うんですが、明るいレンズだしポストプロセスも優れているので画としては破綻しない。ツァイスの同スペック品を目指した、などと揶揄される描写力もよいと思います。トヨペット・RS型クラウンのレトロな重厚さもパッと撮れる。
今どきコンデジ買っても電話機買ってもみんな広角気味で換算24mmとか28mmじゃないですか。長方形のモノを撮ると台形に写る、みたいなさ。まず、あれがないことにハッとしますね。そうだよね、電話機って長方形なんだよねみたいなのが素直に撮れるレンズ(当たり前なんだけど)。
上と同じ環境下で、電話機のカメラで撮るとこのとおり。わりと標準角に近いものを目指したXperia Z1でもこんななので、もっと広角な電話機で撮ると当然もっと極端に台形になる。
ベンガルヤマネコ種(左側)の特徴的な毛並みである金色のグリッターや、ラグドール種(右側)のふわふわなダブルコートも、じっくり狙って撮れば期待に添った描写をしてくれます。電話機だとどうしてもポストプロセスで塗り絵にされてしまうので、そういう不自然さがないのもいいですね。
ズームレンズ『SEL18200』は、能力ほとんど同じでちょっとだけ(5000円くらい)安い『SEL18200LE』があって迷う人がいるんだけど明らかにSEL18200を買うべきで、LEはちょっとだけ(60gくらい)軽いんだけどその代わり最短撮影距離が20cm伸びて50cmになって、アクティブ手ぶれ補正も効きません。
それから、サードパーティを視野に入れるとタムロンの『Model B011』がSEL18200LEとまったく同一のスペックなんだけど、これはLEがそもそもタムロンのOEMだからです。まあ、黙って『SEL18200』を買えばいいと思います。