2014年6月13日金曜日

Apple Store, Omotesandoへ行ってきた

日本で8番目のApple Storeとなる、『Apple Store, Omotesando』がグランドオープンだったので冷やかしてきました。

Apple製品に関しては、しばしば宗教に例えられます。新製品発売のたび言われる「どうして行列してまで買うの?」という問い、ぼくはよく「近所の神社へ初詣に行くとき、同じ問いはしません」と表現しています。

ですので、新しいApple Storeができるのはすなわち新しい礼拝所ができたということ。巡礼の旅が過酷であることは歴史が証明しており、現代におけるそれが梅雨の中日の炎天下、入場まで2時間の行列でも仕方がないことでしょう。

新しい、我々のモスクです。堂々とした3面ガラス張り、地下祭壇へ続く螺旋階段、絶えぬ巡礼の列…… まさに我々の神のおわす場所ですね。『悔い改めよ、神の復活は近い 聖書』などという〝キリスト看板〟を前の道に建てておきたい。

文化にもよるのですが、教会への礼拝は早く行けばいいというものではなく、礼拝所に早く現れすぎるのは神に縋り付きすぎている慢心者であると見なされる風土がある地域もあります。

ぼくは開店とほぼ同時の10時くらいに到着しました。第一陣を送り込み終わったくらいのころです。店舗入口からはハイタッチの歓声が留まることを知らず響いてきます。

この段階で、巡礼の列の最後端は都道13号線から青山通りに折れ、青山ケンネルクラブのちょっと奥あたり。

Google Mapsによれば350mくらいです(敬虔な信者にはApple Mapsでないことを怒られるかも知れません)。

天候がすばらしいので、巡礼者には神の血として天然水『いろはす』が配られます。

列は滞りなく進んで、まもなく青山通りのシンボルである欅並木の下へ入ります。参列者はみな高まっています。

主立ったメディアは前日のプレオープンデイに取材を終えているため、この日はAppleのプレスのための撮影クルーしか入っていません(※列に並んだ人々へは、事前にこの撮影に関する同意書が取られていました)。この日いたライターやジャーナリスト(いっぱいいたよ!)は、それぞれ個人の信仰の問題としての来訪であることに留意してください。

参列した人々は、各地のApple Storeで鍛えられたスタッフたちとのハイタッチで続々と入場します。国内各店舗のマネージャも、この日のために皆集められたと聞き及んでいます。入場まではだいたい1時間ほどでした。

この空間にいる人々はみな一様に笑顔です。ここはAppleへの信仰心の薄いぼくから見てもすばらしいと感じることで、たとえば同じ表参道に立地するMicrosoft Storeなどでは決してこのようにはなりません。これはやはり、ビジネスとエンターテイメントを切り分けることがうまいのだろうなと思います。

なお、スタッフが配っているものは神の肉としての記念Tシャツ(5000着限定)です。

商品展示はいつものAppleらしい、シンプルな木製(オーク材)の什器と製品本体・そして説明用の埋め込み型iPadですが、商品の中核に据えられるのはiPadとiPhoneで、Appleが推進するデジタルハブ構想の移り変わりを感じます。

Omotesandoのイメージカラーである、グリーンのiPhoneとガラス越しの欅のコントラストが美しい。

コンビニと違って、iTunes cardもおしゃれ。

我らがMacBook Proを含む、Mac製品は店舗奥側への配置。もう、Macの時代ではありません。

数奇な運命を辿り、Apple製品向けのケーブルなどを作っていたMONSTERから分派し、HTCとの協業からの分裂を経てAppleファミリの一員となったBeats製品も前面に。今となっては懐かしのiPod Classicとの展示です。

螺旋階段を降り、地下にはカウンター方式でなくなったGenius Barとトレーニングエリア、ワークショップに加えて、ファーストフロアに置けない純正オプションや周辺機器の陳列があります。

どこかの無知なメディアが、この階段の摺りガラスの材質はすごい! と書き散らしていましたが、Shibuyaも同じ素材であることを学んだほうがいいと思いました。

Genius Barが対面カウンターでなくてよくなった背景には、Geniusの使う(主) システムがiPadになったというのも大きいと思います(昔はMacBook Proでしたが、今はiPadでできない一部処理があるときだけMacBook Proが出てきます)。オープン当日であるため、まだGenius Barの利用者はいません。

トレーニングエリアにはちらほらと人がいます。記念にMacBook Airなどを購入する人もたくさん見かけることができます。

iPadの周辺機器としては、キーボードオプションが異様に多くて目立ちます。公式ストアにこれだけ並んでいるということは、Appleのマーケティングチームとしてはこの多大なニーズ(ソフトウェアキーボードでは不充分であるということ)を把握しているということでもありますが、それならばなぜこのようなハードウェアを自ら提供しようとしないのか…… と思わないでもないですね。

ところで、ふと階段から下を見ると、半分くらいが関係者ですね(キミは何人見つけられるかな……?!)。この日はオープン初日であるということもあって、Appleのグローバルからもたくさんの幹部を含む関係者が駆けつけました。

午後になって12時を半も回ると外の雲行きが怪しくなり……

まもなく大粒の雨が降り始めました。

このころには列は10分程度の待ち時間となり、まもなく(13時ごろ?)記念品の配布も終了しました。

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