実銃のGlock 42/43はGlockのラインアップの中でも最小のモデルで、しかも最新のGen 4メカニズム。誰がこの小さなボディにガスガンのメカを組み込むのかと思っていたら、東京マルイのデッドコピーだ何だと陰口を叩かれまくった台湾メーカーからの初出陳となりました。
実銃ではGlock 42が.380 Auto・Glock 43が9x19mmのカートリッジですが、Stark Arms (台湾)ではマニアックに前者をモデル化(もっともガスブロになってしまえば何もかも6mm BB弾なので、雰囲気の問題でしかないですが)。
『Hogwards』はStark Armsの中でも外寸や刻印などのリアルさを追求した日本向けブランドです(他に〝Storm Airsoft Arsenal〟などのブランドがあります)。Hogwardsのラインアップでは架空の名称(※942みたいな)が付けられていますが、実際には刻印は実銃そのままのリアルなラインアップです。
ちなみにGlock 42がGlock USA製、Glock 43がGlock (Austria)製。その刻印も正しく再現されています。また、スライドはメタル製(アルミ?)で、これまた珍しくエキストラクターが別部品となっています。実働はしませんが細かいところまで再現しようと努力しているように感じられます。
個人的には、ダブル リコイル スプリング システムがきちんとライブで作動することがすばらしいと思います。同社のGlock 17 Gen 4はここがダミーだった。Gen 4 (※正確にはGen 3末期のG36あたりから)ではここが最も大きな改良点なので(※他にもトリガーリーチの短縮などありますが)、これがダミーだと萎える。
初期ロットでは、スライドが黒いとかHOP再弱では弾ポロするとかいろいろ言われていたようですが、改修があったようでそのような欠点は見当たらず。スライドが黒灰色・フレームが黒色というGlockの基本を外さず、作動も極めてスムースです。これが1万円強の価格設定でしかもメタルスライドなのだから、平気で3万超の値付けをする日本メーカーにとっては恐ろしい存在ですね。
前から見ると豚鼻みたいでちょっと愛嬌のあるGen 4のふつうのGlockですが(※さすがにピカティニーレールはないですが)、後ろから見ると明らかにスリム。なぜならGlockとしては初のシングルカラムだからです。なので、ガスガンになっても装弾数は控えめの12発(※ロングマガジンでも14発)。
BB弾は上から押し込むのではなく、フォロアーを押し下げるとそこから流し込めるようになっています。地味に便利な機構だと思います。
ガス注入口は日本メーカーのように底面ではなく側面で、海外製によくある注入音のほとんど聞こえないタイプですが、日本向けはJP仕様としてHFC134aに最適化されていて、バルブの作動も問題ありません。
ただし、マガジンは亜鉛ダイキャストそのままで鉄板をかぶせたりしていないので、小ささもあって冷えやすく、連射すると急激に冷えて作動不良を起こします。冬場は3点連射を繰り返すくらいが限度だと思います。ブローバックの際に気化したガスが後方に向かって盛大に噴射されて、ここでもリアルさ満載です(実銃と違って冷たいですが)。
ここまでで比較に出てきたGlock 17はKSC製のもの(※カスタム済)です。しかし、KSCのGlockは造形はいいのに不遇で、System 7にもしてもらえないしそもそも再生産もかからないし刻印もリアルでなくされてしまったしで散々です。Glock 36が出ればなあ…… なんて思っていたら、いつの間にか台湾メーカーの実力が上がってそちらに期待したほうがいいのかもしれない、みたいな状況。