2016年12月2日金曜日

Huawei P9

パーティション周りがぶっ壊れているやつを、TWRPからひとつひとつ修復していったやつ。日本のHuaweiはファームを公開していないので、インターネットに溢れているEU版のファームをベースに使うことになる。

ファクトリリセットの前準備

ちゃんと書き直すためにもブートローダーのアンロックが必要なので、まずできる範囲のバックアップを行いましょう。

消えるテーマ

なぜかファクトリリセットで /system 領域の内容までいじられるので、そこもバックアップする必要がある。adb pull などでどうにかしましょう。

  • /system/themes/
  • /sdcard/MagazineUnlock/

特に、P9を印象づけるテーマが消えることがあるので、もし消えてしまったら〝huawei p9 stock themes|wallpapers〟などでぐぐるとよい。

MagazineUnlockはロック画面を表示するたび変わるあの写真群なんだけど、クオリティの高い写真が多くてなかなかよいと思うので、失われると悲しい感じがあった。

ブートローダーのアンロック

以下で端末の情報を登録する。

あとはだいたいヨソと同じ。

adb reboot bootloader
fastboot oem unlock ****************

これでYesを選べばリカバリからフルワイプされて、晴れてBLUの世界に。

fastboot oem relock ****************

※relock時にも必要なのでコードは控えておく

Recovery

fastboot flash ./twrp.img などとしてTWRPを書き込んだらTWRPを起動させるんだけど、ちょっとコツがいる。USBケーブルを抜いて電源を切った状態からVolUp+Powerボタンの同時押し → 画面のHuaweiロゴとほぼ同時に離す、というのが最も確実っぽい。

Huaweiの端末には、いわゆる〝Android Recovery〟(TWRPなどもこの一種)のほかに、eRecoveryという独自のリカバリがあります。これは、緊急リカバリモードとして働いたり、強制ダウンロードモードとして働いたり、OTAアップデートを処理したりしているようです。

わりと高度な実装が為されていて、Wi-Fiに繋がって自動的にファームウェアをダウンロードしてくる緊急リカバリなんですが、今現在ではファームを落とそうとしてファイルが見つからないエラーを吐くので、Huaweiのサーバー側のロケーションが変わったり(して302などを吐いてくれない場合だったり)すると死んでしまうっぽい。

Huawei Japanが正しくWeb上でファームウェアを公開していれば、このような緊急リカバリの実装のフェイルセーフになると思うので、ちゃんと公開してほしい。あとカーネルソースも出しておいてほしい。

リージョンの変更

日本リージョンでは何もできないので、XDAなどからEUリージョンのファイルをもらってきてTWRPのadbから書き込む。

dd if=./oeminfo.img of=/dev/block/platform/hi_mci.0/by-name/oeminfo
cp ./custom.bin /data/

ダイヤラから *#*#2846579#*#* を入力して、Network Information Query > Vendor Country Info を開けば現在のリージョンがわかります。

Android 7.0 Nougat 体験

以下などに流出版ファームが転がっている。

必要なのは以下のような手順。いろいろ書き換えられてしまうので、必要ならバックアップを忘れずに。

  1. とりあえず /sdcard/dload/ を作る。
  2. まず、update_data_full_hw_eu.zip をTWRPからInstall
  3. 次に、update.zip を先ほどの dload 内へ
  4. 同じく、update.zip 内の UPDATE.APP を解凍して dload 内へ
  5. 電源を切って、VolUp+VolDn+PowerでFlash

Huaweiのこの強制ダウンロードモードは、基本的にはUPDATE.APPだけあればいいはずなんだけど、今回はupdate.zipがないとエラーを吐いて死んだ。

成功してもEU向けを無理矢理使うことになるので、TWRPが起動しなくなったりカメラを見失ったり、あまり体験としてはよくなかった。あと、radioなどもEU版になってしまうので、たぶん対応バンドやCA周りに異常が出ている。ぼくは今のところAndroid 6.0のファームに留まることにした。

正式版は日本では2月には提供開始予定なので、早く使いたい人は日本版ファームのベータテストに参加しましょう。

※追記; 日本版向けβテストには落ちたみたいなので、Android 7.0に関しては自分には何もしてやれないです。ごめんなさい。邪心があると落ちるよ……!

日本版ファームのTips

P9の日本版から system.img をぶっこ抜いて書き込んでみたら、日本版のハードウェアとファームウェアの組み合わせでは本来出てこない、カメラの設定メニューに『ミュート』機能が加わった。つまり、カメラをサイレントにできるかどうかはoeminfoの情報で決まるっぽい。ちなみに、oeminfoがEUのままで今後アップデート対応できるのかどうかとかはいっさい知らない。

P9のGood things.

ここからは軽いレビュー。Xperia Z4が直接の競合相手になりそうだけど、それより薄くて軽い。iPhone 6s/SE並とは言わないけどカメラもきれいだと思う。 EMUI (Emotion UI)は、(Xiaomiの) MIUIを丸パクリだなーと思うところがたくさんあるけど、それはそれとして使いやすいインタフェースだと思います。

あと、ぼくはHuawei Japanが公式にサポートしないと明言しているKDDIの従来型(非VoLTE) SIM (R-UIM)で使ってるんだけど、CAしまくるのでいわゆる格安SIM向けSIMフリー端末としては通信速度は目立って速い。

ナビゲーションバーを左右どちらかにスワイプすると縮小画面になるんだけど、これはとても使いやすいのでもっとやってほしい。具体的にはiPhoneもこうなってほしい。

指紋センサの認証が素早いのと、タッチパネルの反応追従が速いのもわりと特記しておくべきだと思います。遅延は、指紋センサは0.2秒くらい、タッチパネルはたぶん0.1秒くらい。iPhoneに勝るとも劣らない数値なんじゃないかと思います。ただ、プロセッサがHuawei独自なので、遅延が快適性に直接影響するゲームでは恩恵が感じられにくい。Kirinに最適化されたゲームなんて皆無ですからね。Snapdragon 820とかだったらよかった。

P9のBad things.

microSDがSIMカードと同じトレイにあるので、(心理的に)抜きづらいということ。物理的にもSIMピンが必要なので、ぼくみたいに常に複数SIMとSIMピンを持ち歩いてでもない限りは敷居が高いと思いますね。

端子がUSB-Cなのは最初どうなんだろうと思ったけど、実はパッケージにmicroUSBからの変換アダプタが含まれているので、これはGood thingsでもあるのかな……

昔のiPhoneみたいに、アルミニウム・ユニボディをダイヤモンドカットしているのは、ちょっとアレですね。これ傷つきやすいのでケースに入れて大事に使わないと……

あと、純正の〝スマートカバー〟という手帳型ケースのための項目が設定アプリにあるんだけど、これそもそも日本で売ってないよね…… そういえば画面が流行の2.5Dガラスなので、フィルムの選択肢がほぼないのがつらい。あの周囲にでかいフチができるやつはあんまりかっこよくないと思う。

好きか嫌いか

これは〝好き〟ですね。デュアルカメラの片方がモノクロセンサなんですが、これがなかなか味のある描写を出せて、ぱっと見あたかもLeicaの24mmですみたいな画像が出てくる。モノクロ写真いいですよ。

生意気にもLeica SUMMARIT (ズマリット)レンズを名乗っているわけですよ。しかし、それだけの描写能力はあると思う。

あと、日本の6万円というプライスは実は日本だけ特別扱いで値下げをしていて、中国や香港、シンガポールでは軒並み9万くらいしました。つまり、Huawei GlobalとしてはiPhoneやGalaxy S7 Edgeなどと並んでも張り合えるという判断をしているのだと思います。実際に作りは非常によくて、STREAMやAscendシリーズなどのイメージで見てはいけないですね。

ぼくはケースを買おうとして気づいたんだけど、いつの間にかラインアップに日本限定カラー(赤系と緑系)が2色追加されていて、計4色の展開になっていた。香港には淡いピンクがあってこれもわりとよい色だったけど、日本のはそれよりは濃い色合いです(追記; RED 買いました)。