本当はYotaPhone 2 YD206が中国向けなんですが、(ビルド表示が〝ME〟だったのでたぶん)マレーシア版のYD201を買いました。電源入れるまでYD206だとばかり思ってたらYD201だった。まあなんとでもなるだろうという気持ちが大事。
YD201で中国や日本のLTE B1やB41を使うためにはradioをYD206のものへ書き換える必要があるので、radioを書き込むついでにAndroid 6.0.1のBetaファームウェアを焼いてみます。
OSアップデート (to Android 6.0.1)
YD201でLTE B1/B41を使いたくてAndroid 6.0.1へのアップデートをしたいとなると、2段階のアップデートとなります。
yotaphone_flasherで、CNのradioを使ってRUのファームウェアを書き込む
これは簡単で、YotaPhone公式のアップデート用FTPから3つファイルを落としてきて、手順を踏んで使うだけです。
- ftp://fw.ydevices.com/YotaPhone2/
- YotaPhoneFlasher/yotaphone2_flasher.exe
- Firmwares/CN/4.4.3-S01-003-CN1.0.3.32a.zip
- Firmwares/RU/5.0.0-RU1.1.124.zip
まず、4.4.3-S01-003-CN1.0.3.32a.zip
の中から radio フォルダを取り出します。次に 5.0.0-RU1.1.124.zip
を解凍して、中に入っている radio フォルダを先ほどの(つまりCN 4.4.3の) radio フォルダで上書きします。
このファイル群を yotaphone2_flasher.exe
を実行して yotaphone_flasher
をインストールしたフォルダ (C:\Program Files\yotaphone_flasher
) の中の firmware
フォルダにコピーします。
端末をUSBケーブルから取り外して電源を切り、VolDownキーを押しながら電源を入れます。画面に〝Downloading...〟の表示が出れば準備完了。
最後に yotaphone_flasher
を管理者権限で実行して 1. Flash the cellphone を選びます。これでCN radioなAndroid 5.0.0が書き込まれます。
adb sideload でRUのBeta 1.1.31を書き込む
ここからはプレーンなAndroidでの体験とほぼ同一な感じです。
以下のフォーラムを見ると、Android 6.0.1のBetaファームウェアが入手可能な状態で置かれています。
https://forum.xda-developers.com/yotaphone-one/general/marshmellow-6-0-official-yotaphone-2-t3518062
2017年 2月上旬の段階では Beta 1.1.31 が最新なので、〝FOTA MM〟のリンクから yotaphone2-user-full-RU1.1.31.zip を入手しました。
今度は端末をVolUpキーを押しながら電源を入れて、Android Recoveryが起動するのを待ちます。もしくはUSBデバッグがONの状態で adb reboot recovery
でも。
apply update from ADB
を選んで、PC側から adb sideload ./yotaphone2-user-full-RU1.1.31.zip
などとしてBetaファームウェアを書き込みます。
書き込み終わったら wipe data/factory reset と wipe cache partition をお忘れなく。
これでCN radioのままでAndroid 6.0.1が書き込まれました。
YotaPhoneは割とプレーンなAndroidだった
表にAMOLED・裏にE-Inkなので、かなり偏屈な実装が為されているのではないかと思っていたんだけど、Android環境としては非常にプレーンな実装で、そのクリーンさにびっくりしました。YotaPhoneとしての拡張以外はほぼNexusと変わらない。
GApps群もそうだけど標準カメラがGoogleカメラなので、システム面には手を入れる気がないのだなという気持ちになれます。
アプリをAMOLEDとE-Ink間で行き来させるためのTransferボタンをナビゲーションバーに表示させたりできますが、これもボタン自体は変な拡張が為されているわけではなかった。
変なデバイスが欲しい人におすすめ
YotaPhoneは現在3まで出ていますが、基本的なコンセプトは変わっていないので奇をてらった端末が好きな人にはおすすめできると思います。開発者的にはそれほど面白い遊びが考案できるわけでもないので(※ハードウェアの制約上、YotaDevices SDK自体がそれほど遊べるものではない)、E-Ink側を使った面白い何かを作ろうという方面には不向き。
とはいえ標準のE-Ink向けウィジェットは種類も豊富で遊び心に溢れているので、純正の閉じた環境の中でも一定の制約内で充分に遊べる端末です。天気やカメラなどを起動した際の背面にも注目したい。
表側のAMOLEDだけの端末だったとした場合、素直なAndroidなので開発者的には余計な苦労がない端末だと思います。昨今のNexusより素直かもしれません。ハードウェア的にもSnapdragon 800のRAM 2GBなので、一世代前の標準的なスペックという感じです。
なお、いくらロシアの端末だといってもAssembled in Chinaなので、実際には中国のODMメーカー製のハードウェアなんだと思います。ちょっと高級なデザイン感のある山寨機と考えるとまあだいたいのことに納得が行く。