リカバリに必要なD2D領域がなく、ブートデバイスの選択画面しか出ないThinkPad 8を直したのですが、所々罠があるので備忘録を。
ThinkPad 8は元がWindows 8.1のため、Windows 10への無償アップグレード対象機種ですので、32ビット版のUSBメディアを作成して、そこからのインストールになります。
※CPU的にもチップセット的にもx64なので64ビット版でもいいのですが、メモリが2GBしかないため32ビット版で充分でしょう。
ちなみに、UEFI BIOS 2.0以降の機種であれば、WindowsのプロダクトIDは基本的にEFS/NVRAMへ書き込まれています。このため、CoEラベル(昔よくあった、ホログラム入りのプロダクトIDシール)が貼られていない端末が多いです。Windows 10は(1年間限定ながら) Windows XP以降から無償でアップデートできるので、CoEラベルの貼られていないものだと、プロダクトIDの入力などをせずとも導入されるエディションが決まり、初回インターネット接続時に自動でアクティベーションされます。
USBポートは1つしかないのにUSBメモリとマウスが必要
この端末にはmicroUSB端子が1つしかないため、何らかの形でUSB-Aに変換してやらないと一般的なUSBメモリなどが使えません。microUSB端子を搭載した、たとえばソニー 32Aのようなものも存在しますが、Windows 10のセットアップは実は完全なサイレントインストールではないのでマウスかキーボードのどちらかが必要です。そしてそれらはほとんどがmicroUSB端子ではありません。
このため、USBメモリとUSBマウスを同時に挿すためには、USBホストアダプタとUSBハブが必要になります。USBハブはバスパワーのものでよく、2ポートかそれ以上であれば何でもいいと思います(本体側はUSB 3.0には対応している? ような気がするので、USB 3.0対応ハブがよいかもしれません)。
OS標準ドライバではBluetoothもWi-Fiもタッチパネルもドライバが用意されていない
Windows 10のセットアップが無事に終了しても、ネットワーク周りのドライバが何も入っていないので、まずWi-Fiアダプタのドライバを導入します。この機種は公式にWindows 10の導入がサポートされているので、Lenovoのサポートサイトから対応ドライバをダウンロードできます。
Wi-Fiアダプタが無事動作するようになれば、Windows UpdateとLenovo ThinkVantage System Update 5でだいたいのドライバが導入されます(Windows Updateを先に)。
また、Intel Platform Device Driverをインストールするとタッチパネルが使えるようになります(ここでマウスは外してよいです)。
なお、EFI BIOSアップデートだけはなぜかSystem Updateで降ってこない気がするので、自力でアップデートする必要があります。
筆者の場合は、その降ってこないBIOS 1.71が初のWindows 10対応BIOSだったらしく、これを入れることで省電力周りが正常になりました。
8インチタブレットならではのメリット
Office Mobileがフル機能使えるのはなにげに大きいんじゃないかと思います。Word/Excel/PoerPoint.Outlookのみですが、Storeアプリからダウンロードできます。
10インチのThinkPad Tablet 2と比較するとその小ささは一目瞭然です。ただし、質感はTablet 2のほうが上で、ThinkPad 8はどちらかというと(太古の) ThinkPad iシリーズのような塗色と見た目です。
こういった些末な点は、片手で持てることと1920x1200という広大な画面空間で充分にスポイルできると思います。
8インチタブレットならではのデメリット
ジャストサイズのキーボードが売られていないことでしょうか。閲覧メインだとソフトエアキーで割り切ればいいのですが、そうでない場合はiPad miniのキーボードの充実っぷりに羨望の眼差しを向けることしかできません。