Mi 6 争奪戦に負けたので、Mi 5を買いました。迷走。
Android 7.0, MIUI 8, Snapdragon 820の、Xiaomi フラッグシップ(先代)です。VAIO Phone Aと同様にVoLTEでDSDSできます。5.1インチFHDなのでわりと小さいです。あと軽い。
前背面ともにガラス製で、美しい造りだと思います。これで2万くらいなんだから日本でも売r(いつもと同様なので略)。
VAIO Phone Aに不満はないけど、そうだな、USB-Cであること・通知LEDがあること・指紋認証があること、この3点あたりはMi 5が確実に便利な点。あ、スタンダード版なのでメモリ3GB・ストレージ32GBのモデルです。
純正ROMでがんばってみる
中国版なのでGoogle系アプリはいっさい入っていません。Global ROMに入れ替えるのはめんどくさいけどPlay Storeくらいは使いたかったので、有志のバックアップを復元する手法でPlay Storeを入れました。
http://en.miui.com/thread-436677-1-1.html
が、使いたかったHangoutsがちゃんと動かなかったので、Global ROMを以下の手法で入れることに。
http://xiaomitips.com/guide/how-to-fix-bricked-mi-5-easily/
なんか、PC側はエラーを吐いているんだけど電話機側の進行ゲージは進んでいくので、まあ中華アプリだしPC側のが悪いんだろうと思っていたら、電話機は正常に再起動してGlobal版になった。
Hangoutsが権限周りで発狂したらこれ。
https://android.stackexchange.com/questions/83159/hangouts-google-play-services-problem
Twitter, Hangoutsあたりのpushがいっさい飛んでこないので、以下のような対処をした。
https://www.forbes.com/sites/bensin/2016/11/17/how-to-fix-push-notifications-on-xiaomis-miui-8-for-real/#63121dc87572
省電力とセキュリティが〝優秀すぎて〟何もかも止めてしまっているので、手動で除外していくことが必要っぽい。
中華系電話機はバックドアが、みたいなことを言う人が多いんだけど、中国人だって自分の携帯電話を政府からハッキングされたくないので、実はセキュリティ周りに関しては異様に気が配られています。自衛のための手段はいつだって重要。
XiaomiのMIUIには『セキュリティ』というアプリがプリインストールされていて、ここでは(日本の電話機ではroot権限を奪取しない限り不可能な)アプリのパーミッション管理などが個別に可能となっています。システムアプリの権限も止められます。なので、きちんと設定を徹底していれば〝バックドアが〟などと言う必要はなくて、逆に正規のpushすら受け付けないくらいの堅牢性があります。HuaweiのEMUIにも同じようなものがありますね。
いやしかし、もっと自由に楽に使いたい。それが人間の性ですよね。
何せここまでやってもpush飛んでこないアプリがあるので(Twitterとか)、これはもうちゃんとフレームワークが入ったグローバルなROMを入れようという気持ちになりました。
BootloaderをアンロックしてカスタムROMを導入する
XiaomiのBootloader アンロックは申請制です。mi Accountで認証してXiaomi側のレビューを通過する必要があります。
ぼくはレビュー通過までに3日くらいかかりました。10日かかったという人もいるようなので、miui.com上での活動などもチェックされていそうです。
認証されれば MiFlash_unlock_****.zip
的なファイルがダウンロードできるので、これを展開してFastbootモードからアンロックします。アンロックに際してデータは消えません。Nexus/Pixelなんかとの違いですね。
カスタムROMの導入のためにはカスタムリカバリの導入が必要ですが、ちょっとトリッキーな動作で起動させるのと、リカバリを書き込むともう純正ROMは起動しなくなるので、環境のバックアップは作業を始める前にやるとよいはずです。
ROMはxiaomi.euのAndroid 7.0/MIUI 8.2版を使いました。純正ROMとほぼ同一の環境で、マルチランゲージ対応と中国語のブロートウェア削除、そして細かなUI調整が施されているものです。いわゆるGAppsも導入されていますが、必要最小限なのでわりと何も入っていない。
現環境のバックアップが終わったら、adb reboot bootloader
とか電源を切ってからVol-
とPower
を同時押しとかでFastbootモードを起動します。
用意したカスタムリカバリが twrp.img
だったとしたら、以下のように。
# fastboot flash recovery twrp.img
# fastboot boot twrp.img
2行目でイメージからカスタムリカバリを起動させています。こうしないと起動しなかった。
いったんFormat Dataをしてから、/sdcard/
へダウンロードした gemini_.zip
を入れます。その後、Installメニューからファイルを指定してインストールしてください。
インストールが完了したらRebootです。正しく操作していれば、起動してくると思います(初回起動は10分くらいかかります)。
新しい環境でも同じMIUIなので、ぱっと見はあんまり違いがわからないと思いますし、大幅な変化を望む人はCM13とかResurrection Remixみたいな環境に行くのがよいのではないでしょうか。
ところで、テーマを変えてもGoogle Appsのアイコンが変わらない件について
どうやら /system/media/theme/miui_mod_icons
があるとおかしなことになるっぽいので、rootを取って消すかカスタムリカバリから消すか、どちらかを選ぼう!
〝文鎮〟を作ってしまったら
純正ROMの書き込み処理ですら素直な fastboot flash
手法なので、逆を言えばフェイルセーフがなくて文鎮を作りやすいです。ぼくは書き込み途中でPC側のバッテリーが切れて文鎮を作った。
このような場合、もはや画面には何も表示されないので〝終わったなー〟と思うのですが、まだ緊急手段が残されています。
まずは、Xiaomiの電話機にはEDLという緊急ダウンロードモードがあるものが存在します。しかし、Mi 5では〝中華系業者がEDLモードでカスタムROMを仕込んで、メーカーが正規アップデートできない状態で販売するから〟というどうしようもない理由でこの手法は殺されています。
で、どうするかというと、Vol-
とPower
同時長押ししながらUSBケーブルをつなぐと実はfastbootが起動しているので、fastbootからflashする手法が使えます。そのために『MiFlash』という純正のツールを使います。
MiFlashにはいくつもの版があって、いろんなところで最新はダメだあれを使えこれを使えと書かれていて混乱するのですが、公式に置いてある最新の英語版で大丈夫です。
また、書き込むファームウェアもChina向けDeveloper版が推奨されることが多いのですが、Global向けStable版で大丈夫です。
それから、電話機はBootloaderをアンロックしてある必要があります。まずはアンロックしましょう。
MiFlashとファーム、そして電話機本体すべての準備が整ったら、fastbootモードで電話機を接続して、MiFlashで [Reflesh]
ボタンを押して電話機のつながっているCOMポートを見つけられることを確認して、ファームを解凍したフォルダを [Browse]
ボタンから指定して [Flash]
ボタンを押します。あとは待つだけ。
この処理も裏でバッチファイルが走っていて、fastboot flash **** ****.zip
を延々とやっているだけなので、牧歌的な優しさが感じられます。
無事全ファイルを書き込めたら、Success 表示が出るのでケーブルを抜いて電源ボタンを押せば起動してくると思います。
Xiaomi製品のよいところ
Xiaomiは現在、中国国内ではかなりシェアを落としています。これにはRedmi (紅米)シリーズを(日本メーカーの携帯電話のように) 3ヶ月に1回リフレッシュして販売するなどで端末を乱売したことから、新しもの好きの中国人に〝Xiaomiの電話機は安いけどすぐ古くなる〟という悪印象を持たれてしまったことが原因にあります。中国人は最新のものしか使いたがらないので、3ヶ月後には旧機種になるものを誰も欲しがらない。
Mi (小米)シリーズは1年に1回のリフレッシュなので旧来と変わらないのですが、フラッグシップの数字シリーズ以外にもMi PlusやPro、Mi MIXなどのサイズや用途違いの機種を多層展開したことで〝フラッグシップが混乱している〟印象を持たれて、こちらも権威としては失墜した感があります。代わりに躍進したHuaweiやVivoはそういうことをしません。HuaweiだとMate 9とP9は完全に違う機種だけど、Xiaomiは同じMiファミリの中にMIXと5sがある、みたいな。
Xiaomiは携帯電話以外にもエアコンやTV、炊飯器やカメラなどたくさんの家電製品を販売しています。そして、Xiaomiはファブレスメーカーなので、製品には必ずODM元が存在します。このODMの品質管理を徹底していることが、Xiaomi製品の魅力だとぼくは考えています。
Xiaomi製品は初期不良率が低くて品質も均一です。日本メーカーがやっているような品質管理と品質保証を徹底できていることが、中国メーカーとして頭ひとつ抜きん出ているところです。近年ではP9で躍進したHuaweiもその手法を取り入れつつあります(GR5くらいまで品質は散々で、日本では全然売れなかったですからね)。
もっとそういうところを前面に出してマーケットに訴求していけばいいと思うのですが、手売り同然だった初期のころの栄光が捨てられていなくて、結局今のようになっているという感じですね。