フルMVNO時代の幕開けだ!
MVNOが加入者管理までを受け持つ、いわゆる“フルMVNO”のSIMカードです。日本では初の事業者がIIJとなります。訪日外国人向けSIMパッケージ『Travel SIM』に『for Unlocked Phones』として新たに追加される形で初お目見えとなりました。
MCC+MNCであるHNIコードは44003
、事業者名も(NTT DOCOMOではなく)『IIJ』として表示されます。また、電話番号はOTAで書き込まれますが、頭3桁は 020
と、いわゆるM2M機器向けの発番となります。
初期セットアップから開通まで
SIMカードは標準・マイクロ・ナノSIMの3サイズが一体化した3in1タイプなので、利用する端末に合わせてSIMを切り出します。今回はMicrosoft Lumia 950に挿してみたので、nanoSIMです。
電源を切った端末にSIMカードを挿入し、起動させてからAPN設定を行います。AndroidやWindows Phoneでは手動入力ですが、iPhoneは構成プロファイルをダウンロードして設定しても構いません。
ここで再び再起動し(超重要!)、起動が終わるとOTAで電話番号が書き込まれ、IIJのピクト表示になるとお思います。
で、ここからは専用サイトに接続して利用者情報と利用開始日の登録が必要です。SIMの台紙にパスワードが2つ書き込まれているので、それを専用サイトにそれぞれ入力します。
利用開始日を「今すぐ」にすると、数分後にはインターネットできるようになっています。
インターネット環境に関してはバックエンドがNTTドコモの設備であり、IIJmioの既存サービス(タイプD)と変わりないはずです。
使用した感想など
DSDV対応の電話機にNTTドコモのSIMと同時に挿して、NTTドコモ側のピクトが立たなかったのがちょっと謎ではありますが、開通自体は最近のメジャーなOSであればだいたいできるはずです。
iPhoneに挿したとき「IIJ LTE」の表示になり、ドコモの場合の「docomo 4G」と異なるのはちょっと興味深いです。
基本的な使用感はIIJmio タイプDと違いはなく、昼と夕方に混雑する傾向があるのも似ています。
フルMVNOになると加入者管理がIIJでできるので、例えば外国人が訪日時に5日だけ使って帰国の際に回線を休止させ、半年後の訪日時にまた残りから7日分使って再び休止、などの具体的なシナリオが実現できるというのが強みです。こういった仕組みが充実してくれば魅力的なSIMになることは間違いないです。
ところで、接続先であるNTTドコモの基地局自体は44003を吹いていないらしいのですが、ネットワークを手動検索したときに44003 (IIJ)が見えるので、何か設備自体にはそれっぽい仕組みがあるのだと思います。