2018年5月18日金曜日

HTC U11+ Dual SIM (Ceramic Black)

U12+がリークされて、好みのデザインではなかったのでU11+を買いました。ごく個人的な主張ですが、2眼カメラは縦に並んでいてほしい。

6インチ18:9 QHD+、6GBメモリのSnapdragon 835、まあ2017年のトレンドという感じのスペックです。Snapdragon 845だったら完璧なんだけど、それはXiaomiのMi MIX 2Sがだいたいそれ。

そう。トレンドといえばこの携帯電話は2017年の携帯電話なので、2018年のトレンドであるノッチがありません。ノッチがない代わりに競合機種と比べて縦方向が若干長いです。リリース後、約半年で次の機種がリークされて、その数日後に正式発表となる予定なわけです。急ピッチ。

HTCにしては狭めの額縁とアゴに書かれていないHTCロゴで、この携帯電話がHTC製であることは見る人にしかわからなくなってしまいました。
Sense 9.0 UIも素のAndroidにかなり近いので、かつてのHTCの様相はすっかり失われてしまいました。Sense系アプリを起動すると、旧来のHTCっぽいアプリが起動されるのでほっこりします。カレンダーやギャラリーなど、一部アプリはGoogleアプリに切り替わっていて、この電話機の悲しい開発過程が偲ばれます(※元々はGoogle Pixel 2 XLとして開発されていた=がLG製に急遽取って代わられ、のちにHTCのPixel担当部門だけGoogleに吸収合併される=)。

一方、セキュリティパッチなどの更新は頻繁に来るわけではないようで、執筆時点で2017−12−1が最新として導入されていました。5ヶ月放置……

色としてはTranslucent Oil (Black)が欲しかったのですが、香港では公式でこれだけ売り切れていて“この色だけ売れた”感がすごいです。他にAmazing SilverとSolar Redがあって、全4色展開です。

HTCが自慢する、DxOMark Mobile スコア90のカメラは非常にきれいに写りますが、スコア97のiPhone Xと比べると背景のボケ具合とか暗部の描写が気になります。比べなければとてもきれいです。
カメラは国際版ROMっぽくなく“音を消す”設定がどこにもないので、やはり『無音モード』さんの出番です。

あまり周知されない細かな実用スペック

LCDは、DCI-P3とHDR10に対応したSuper LCD 6ですが、HTCがこれをうまいこと広報できていなく、(iPhone X並の)広色域の色再現ができるということが世間にあまり理解されていないような気がします。OLEDほどではありませんが、それでも他より圧倒的にビビッドな色域をきれいに再現できるディスプレイです。
Bluetoothも何気にapt-X HDやLDACに対応していて高品質なのですが、こういうところをまったく売り込めていなくてHTCは本当に広報が弱い……

SIM周りについても補足があまりないので書いておきましょうか。この電話機はDSDSに対応していて、DSDVには対応していません。つまり、4G+3Gの待ち受けはできますが、4G+4G (VoLTE同士)の待ち受けはできません。そもそもVoLTEに関する設定項目が見当たらないので、VoLTEできるのか自体が謎です。また、SIM2はmicroSDと排他になるタイプです。
まあ、香港ではGalaxyでもVoLTEが有効にならなかったりするので、各国で廃止が迫る2Gとの同時待ち受けでなかったことは評価できると思います。Xiaomiとか未だに4G+2Gの電話機をラインアップしているので怖い。

さて、6インチといっても縦長(18:9)で、サイズだけ聞くと指が隅々に届くのか不安になりますが、我々の手は年々のスマートフォンの大型化に合わせて大きくなっているので、操作には割と余裕があります。5.5インチ(16:9)のXperia XZ Premiumなんかと比べると細いし薄いです。

せっかく薄くて小さめなボディなのですが、日本のキャリアにないプロダクトなので、日本みたいな薄くて頑丈なケースが作られていません。AliEkjlxpressを漁って見つけた2.5Dガラスフィルムと3D背面フィルムを使うことにしました。純正ケースはマジクールなので担当者は真に反省してほしい。

ストラップホールない問題

HTCは世の趨勢がスマートフォンになって以降、携帯電話本体へのストラップホールの設置をやめていますが、イヤホンジャックがあればPluggyLockのような代替手段でストラップを取り付けることができました。しかし、それも昨今ではUSB-Cに取って代わられてしまい、ストラップを後付けできるような場所がどんどん減っています。

ストラップがある安心感は欲しいので、背面に貼り付けできるカードホルダを応用してストラップホールっぽいものを後付けするようにしてみました。粘着面がそれなりに広いのですぐに剥がれてしまうこともなく、それなりに実用的です。

HTCらしいきめ細やかな配慮の効いた設定

電話機のソフトウェア側を見ると、細かな使い勝手には相当練り込まれた配慮があって、例えば画面OFFのときに持ち上げようとして本体が“スクイーズ”されてしまいカメラが起動してしまう、ということも画面OFFのときはスクイーズに反応しない設定がありますし、背面の指紋センサを触るといちいち画面が点いてウザいのですが、これも認証に成功しない限り点灯しない設定があります。
いわゆるAODもSamsungのように常時点いててしつこいということもなく、本体を持ち上げた数秒だけ暗めに表示されるので、寝ているときに時計だけ見たい、というような本来の用途に合致しています。

他にも、画面を下に2回スワイプするとカメラを起動するとか、電源キーのダブルクリックでカメラを起動するとか、とにかく何がなんでもまずカメラを起動させたがる子なので、しっかりしつけてこういう機能をOFFにしていく必要があります。

ちゃんと設定してやれば、設定が練り込まれているぶん余計なことをしなくなるので、ユーザーの好みに応じた設定の電話機ができあがるようになっています。カスタマイズ性は非常に高いです。