2018年11月2日金曜日

Huawei P20 Pro CLT-L29 (6GB/128GB) - Morpho Aurora

最近のぼくはミニマム構成にこだわっていて、携帯電話の予備機なども極力持たないようにしているのですが、困ったことにXperia XZ2が初期不良で送り返されてしまい、まともなカメラを持った携帯電話が手元に存在しないという事態に立ち至ってしまいました。

同社のXZ3やGalaxy S9+、OnePlus 6/6Tなど様々な機種を検討したのですが、DxOMarkで今なお最高得点の座を譲らないP20 Proはそれ以前より検討していた機種のひとつで、このごろ価格も下落しつつあるので買ってみました。

  • https://www.dxomark.com/category/mobile-reviews/

検討リストの中で大きなアドバンテージになったのも実際カメラで、光学ズームを搭載していること(この時点でXZ3/OP6/OP6Tは脱落)、光学ズームが35mm換算50-80mm前後であること(S9Pが及第点として残る)、指紋認証がカメラから充分に離れていること(S9Pが脱落)、というのが割と決定打になりました。

SoCが世の大半のSDM845ではなくHuawei独自のKirin 970であるのも特徴ですね。これはMate 10 Proなどとも共通。

P20 Proには日本国内だとNTTドコモ版(HW-01K)もありますが、“おサイフケータイ(NFC)”に対応しているのがグローバル版との大きな差別化要因だと思います。でも、たぶんファッキンファーウェイでDual SIM化/グローバル化できると思う(グローバル版のNFCもType-Fだと思うので)。

本当はグローバル版かつ新色のPerl White (8GB/256GB)が欲しかったのですが、コストパフォーマンス的に見合わないと判断して見送りました。価格差が4万くらいあるので。新色の片割れであるMorpho Auroraはなぜか6GB/64GBから存在していて、展開がよくわからない。

Kirin 970のこと

『リネージュ2・レボリューション』や『Real Racing 3』がクラッシュして起動しないことがあったり、やはりSnapdrabonと比較するとマイナーSoCゆえの欠点があります。ゲームはとにかく“動きさ えすれば”快適に動作します。あとはどれだけ最適化されているかですね。

カメラのこと

Kirin 970はAI-enabledないわゆるNPUなので、カメラについてもAIが出張ってきます。AIの演出は少々過剰なので設定からマスターAIを切ると、記憶色に近い、きれいな写真が撮れるようになります。マスターAIについては発売当初より賛否両論ありましたが、Mate 20シリーズでは演出が抑えめになっているとのことなので、もしかしたらAndroid 9 (EMUI 9)への更新時に調整が入るかもしれません。

VARIO-SUMMILUX-H 1:1.6-2.4/27-80 ASPH.となったレンズシステムは光学ズームが3倍、35mm換算で約80mmなことも本機の特徴です。標準レンズは換算約27mmと、現代の携帯電話としては標準的。Mate 20では約16mmの広角(マクロ)レンズが追加されているので、P30 Proにも似たようなものが積まれるのではないでしょうか。

なお、トリプルカメラが売りですが実質的にはデュアルカメラで、3つのうち1つは測距用のモノクロセンサです(画角は標準レンズと同一)。ハイブリッドAFの位相差やコントラストの演算用に活用されています。ここはP9のころから変わりませんね。カラーセンサに変わるのはMate 20 Proから。

このセンサを活かしたアパーチャモード(背景ぼかし)はとてもよくて、本当に美しいボケ味が出ます。Galaxy S9+と違って絞り羽根がないので、このような円形ボケになります。

OIS/EISともに手ぶれ補正は強力で、ズーム撮影や夜景などの暗所撮影で威力を発揮します。Galaxy S9+の機械式絞りもこのようなときに活きるのですが、それがなくともハッとする写真が撮れるのが本機の魅力だと思います。

なお、P20 Pro以降の上位機には“AIS”という手ブレ軽減機能があります。これはAIが数枚の前後ショットを判断してブレていない部分を合成して中央を切り出すという機能のようで、高倍率時に自動的に働きます。

以降、いつもの作例を。


定点ではやはり夜間撮影の解像力の高さが光ります。


ワイド端よりはテレ端の80mmが気になるポイントだと思いますので、それも。

夜の横浜中華街へ行った際のスナップもいくつか。



龍の巨大オブジェを撮ったのですが、この場合はちゃんと奥まで細部を捉えていて、ぼけエフェクトなどがかかりません。このあたりはAIの判断力が優れていると言っていいでしょう。

なお、カメラUIの左上の目のアイコンを押すと、スキャナモードに替わります。対象物をスキャンするモードとバーコードリーダーとに分かれていて、ここからQRコードなどを読み取ることができます。

EMUIのこと

ナビゲーションバーを隠して指紋認証センサで戻る/履歴アクションを行えたりという、この機種独特の操作性がありますが、指紋認証センサが下付きなのでちょっと使いづらいです。いったんふつうの仮想ナビゲーションバー表示にして、『Gesture Control』でナビゲーションバーを隠したほうが個人的には使いやすい(操作性がiPhoneライクになるので)。

ホーム画面はアプリドロワーの有無を選べるのですが、ドロワー方式にすると旧態依然としたボタンをタップしてアプリリストを開くことになって、スワイプアップで出てきてほしいと思ったりします。しかし、ホームアプリを変えると容易にクラッシュしたりしてよくわからない。

有名どころだと『Microsoft Launcher 』がクラッシュしないし大手製でカスタマイズ性も高いので安心です。

純正ケースのこと

これ書くの何回目かもうわからないくらい書いてるんですが、純正ケースは付属のものも含めて日本では売られていなくて、本当にHuawei Japanはクソだなーと思います。

iPhoneやPixelのように純正で豊富な選択肢が提供されていればいいと思うし、海外のHuaweiではちゃんと純正ケースを(4種類くらい)販売しているので、ただの販売代理店じゃないんだし本当にここをどうにかしてほしい。

それはともかくとして……

まあ現状ではケースは個人輸入すればいいとして、端末本体自体は他にない独特の色合いも気に入っているし、SDM845搭載機と比べてもほとんど遜色ないパフォーマンスで、モノとしては非常にお買い得感のある製品だと思います。

ちなみに、P20 Proはいわゆるノッチフォンですが、ぼくはノッチの存在をかっこ悪いことと思っていないのと、ノッチ自体も小ぶりだし気にならないです。どうしてもという場合は設定でノッチの存在を隠す(ステータスバーを黒くする)こともできます。OLEDなので真っ黒になるし、大体の人はこれでいいのでは。

横画面にするとノッチ部分は自動的に隠されて、フチの幅が左右対称になるようになっています。シンメトリックになるよう計算されていた。

それと、細かいところですが全画面のときはノッチ側の角の描画がラウンド処理されます。これで本当にシンメトリックというわけ。

おまけ: 物理キーボードの話

大昔に発売されたキーボードですが、I-O DATAの『CPKB/BT』というキーボードが横幅ぴったりで使えそうな感じだったので、スタンドになるカバーを作ってみました。iPhone 4などの時代のキーボードなので当時はこういう発想がなかったのですが、端末が大型化した今だと一体感がありますね。

このキーボードだとcmd-spaceで言語の切り替えができるので、デフォルトのSwiftKeyの物理キーボードの設定を詰めて(デフォルトだとキャピタライズなどの英語向け設定がうざい)、日本語入力にATOKやGoogle日本語入力などの物理キーボード対応なIMEを使うと、いい感じに文章を入力できるようになります。

そのままだと日本語入力になったときに逐次通知音が鳴ってしまうので、通知から“キーボードレイアウトの選択”をスワイプして通知音の設定を行うといいと思います。

横画面で『JotterPad』をダークテーマで使うと、非常に昔ながらのテキストエディタみたいな感じの画面になるので、集中して作業することができています。

なお、このケースの革張りには初代Galaxy Noteのケースを解体したものを使っています。こんなところにGalaxy Noteロゴが残ってしまった。