2017年6月3日土曜日

Apple AirPods

発売から半年経ってますが、ようやく入手できたので触れておきます。

半年待って手に入れた利便性は、本体の横に置くだけの簡単ペアリングと、その後の同一Apple ID端末へのペアリング浸透でした。外出先でiPod touchとペアリングしたんだけど、電車に乗って電話がかかってきたらiPhone 7と、家に帰ったらMi Notebook Air 12上のOSX86 (Sierra)で使えるようになっていた(あ、もちろんReal Macにもです)。近未来感があります。

これはBluetooth smartと、iPhone 5以降に搭載されている謎のNFCタグがはじめて活用されたのかな。

音質に関してはいろいろ言われてるけど、EarPodsベースなのはもちろんだけど、この味付けはチープなBeats製品に近いのでは。urBeats、昔で言えばiBeatsにサウンドの傾向がとても近い。W1プロセッサを搭載した他のApple/Beats製品みんなそうだけど、重低音が濃密で、すっきりした中域、そして潔く飛ばされた高域という特徴。
実はこういう味付けのBluetoothイヤホンってほとんど存在しなくて、高域はもちろん真っ先に飛ばされるんだけど重低音を持ってきて補完して盛る、みたいなことを低遅延でこなしていると思われ、EDMっぽいライトなポップスとかジャズには向いているんじゃないかな。ピアノ鍵盤の動作音とかかなり生々しい。

UM pro10 + WST-BLUETOOTHと比べると、比べるのは失礼っちゃ失礼だけど、音楽を楽しく聴けるのはAirPodsだと思います。BTでも少しでも解像感を求めるなら、WST-BLUETOOTHに好きなMMCXイヤモニをぶら下げるのが現実的です。

ただ、結構ボーカルが前に出てくる感じの味付けなので、ボーカルがほかの情報量に沈みがちなWST-BLUETOOTHより好みだという人は一定以上いそう。

アーティストの息づかいが聴こえてくるような濃密サウンド、みたいなのを求める人はお願いですからWestone UM pro50とBeat Audio Vermilion MMCXあたりのフル有線な組み合わせを買ってください。Beat Audio (NOT Beats audio)のケーブルマジ生々しいよ(1メーター5万するけど)。

WST-BLUETOOTHとのいちばんの違いは左右が完全に独立していることで、そこから得られる自由度や開放感だと思います。音としてはどちらもいいわけではない。

なお、動作コーデックはよくわからないんだけど、AndroidにペアリングするとSBCかHFPで繋がっていて、iOSとはAACで繋がっているような気がします(少なくともmacOSはAAC)。Androidとペアリングして再生した感じではaptXにはおそらく対応していません。なので、iOSで再生した場合が最も高音質だと思います。
それと、W1プロセッサがおそらく音場補完をしていると思うのですが、これがかなり自然なので他社のBTヘッドセットより聞き疲れしにくいというのがあると思います。

ところで、操作体系としては(設定さえすれば)左右ユニットどちらかの耳穴の上に被さってる(丸い)あたりをダブルタップすると再生/一時停止できるんだけど、音量調整とか曲送りは再生機本体を触らないとだめです。ダブルタップをSiriに設定しておくとここで「止めて」「○○を再生」「音小さくして」などと話しかければいいんですが、日本の電車の中でやるのは完全に事案だし周囲に人間の輪が構築されそうです。

付け心地は、ぼくの耳穴は外耳・内耳ともに小さいのでAirPodsはちょっと大きい。でも、首を激しく振ったくらいで取れる感じはしないので、わりとワークアウトのイヤホンとしても行けそう。
あと、定位をちゃんとすればかなり重低音が響いてくるので、やはり決して素性の悪いイヤホンではないと思います。オープンタイプとしては快挙という感じ。定位は歩いているうちにずれていくので、どちらかといえば静止して使うのに向いている。

オープンであるメリットとして周囲の会話や雑音を拾いやすいというのがあります。オフィスで音楽聴くのに最適な感じです。誰かに話しかけられたら左右どちらかのユニットを耳から外せば音楽は一時停止されて、話し終わってユニットを装着すると再生再開されます。スマート。

ぼくはそこら辺を歩いているとよく道を聞かれるのですが、今まではWestoneのイヤモニを両方抜き取って再生停止操作して、「はい、それで?」という感じだったのが、片耳外しつつ「はい、それで?」でよくなった。革命だなと思いました。

ただ、これだけ外のノイズを拾うということは飛行機などは無理だと思うので、アクティブノイズキャンセリングを積んでほしかったですね。どうせ左右にマイク2つとW1プロセッサ2つあるのだから逆位相の音作るの楽だと思うんだけど……

たまに左右の再生同期が取れていないときがあって、片側0.01秒くらい遅延したりします。すぐ補正されます。こういうところが何をやって同期取ってるのかわからないので、Apple嫌いな人からブラックボックスと揶揄される所以なんでしょうね。

あとは、充電性能についてざっくり述べておきましょうか。連続再生時間は5時間程度、そこからケースに入れて30分待てば満充電です。ケースは5回弱(トータルで2時間半程度)の充電に使えます。ケースの充電はLightningケーブルを繋げて4時間前後で終わる感じです。

概ね、充電は速いと言っていいと思う。

ああそう、音ゲーは遅延ひどすぎて無理だと思いました。