2018年7月27日金曜日

Lenovo ThinkPad Yoga 260 (Type 2QFE)

新しいLenovoのロゴのマシンを初めて買いました。Yogaタイプのパココンを買うのも初めてです。メモリ16GBにするかーと思ったら鬼のような値段で泡食った。DDR4高いですね。
超狭額縁デザインで13.3インチなYoga 370と悩んだんだけど、実は筐体が260よりもうちょっと大きいっぽいので断念、という感じです。12インチクラスが持ち歩けるギリギリの限界だと思う。新幹線とかエコノミークラスの座席だと、テーブルが13インチ収まらない感じでつらいんです。
なので、ちょっと古い型落ちマシンを今さらレビューするというスタイルになっています。

// その後、ThinkPad X380 Yogaがほぼ同じ大きさの筐体に13.3インチFHDを詰め込んだマシンであることに気付きました。

というわけで 12.5inch FHD, 8GB DDR4, 256GB m.2 (SATA) って感じの構成です。6th gen Core i5 = Skylakeだしあと数年は戦えそう。メモリがHynix・SSDがSamsungでイマイチ統一感なくて落ち着かない。
SSD、互換性が怖くてSATAにしたけど、実はNVMeでも良かったらしい。2TBくらいのが出たらまた改めて考えます。

BIOS更新のためにWindowsも入れてはあるけど、例によってCloudReadyを動かす端末なので、デュアルブート構成です。特にハマるようなところはなかった。ThinkPadなので非常に素直なハードウェア構成です。

ああ、BIOS設定でVRAMを256MBにすると、FHDの機種は死ぬと思います。FHDを正しく動作させるには512MB必要です。

Chrome OSのタブレットUIについて

感心したのは、Chrome OSでもYogaスタイルにすれば回転するし、360度反転スタイルになるとタブレットUIになることです。これはWindowsよりずっとよいサポートなのでは。Windowsだと自動回転のオンオフに不自由さがあって、いつでも好きなときに切り替えられるようになっていないのがめんどくさい。

Chrome OSのタブレットUIについては現状では1アプリが全画面を使ってしまうので、iPadのようにsplit viewのようなことができるようになるとより実用的になると思います。YouTubeとかもPiP (Picture-in-Picture)で見たいよね。

ThinkPad X240sと比べて

同じ12.5インチLCDということで、直接的な買い替え元はThinkPad X240sとなります。スペック的には不満を感じていなかったので、単純にギミックが増えたという感じではあります。

重さは100g前後増加の方向に変化しているはずですが、1.2kgと1.3kgの違いではそんなに違いを感じません。本体サイズの変化も、はっきりわかるのは薄くなったということだけで、ほかは重ねないと分かりませんでした。ぼくにとっての先進性は、薄さだけだということが分かります(笑)。

Haswellもそれ以前と比べれば優秀なプロセッサでしたが、Skylakeでの進化ははっきりと体感できて、まず発熱が相当量低いということが挙げられます。夏場の室内で冷却ファンが停止したまま作業を続けられるのは驚異的です。Lenovoはサーマルコントロールが非常に上手いメーカーですが、この薄い筐体で熱を逃がす設計をするのは並大抵の努力ではなかったのではないでしょうか。

キーボードははっきり言ってまったく同じなので評価としては変わりません。TrackPointのボタンは、ぼくはThinkPad X240sのような統合型のほうがデザイン的には美しいと思います。ただ、TrackPointよりTrackpad派になってしまったので、そんなに重要度は高くないです。

回転するヒンジはどうかなと思っていましたが、これがなんとも快適で、回転するとキーボードのベース部がせり上がってきてキータイプできないようになるとか、ゴム足がせり上がってきたりするところのギミックは見ていても非常におもしろいです。タブレットスタイルでも使おうという気になります。
あとまあ、これだけ仕事するヒンジをそつなくシンプルなデザインで仕上げているのもThinkPadらしいなと思いました。IdeaPadだともっと派手だよね。

ポート類は何が増えて何がなくなったか、まるで間違い探しのようですが、Display PortとHDMIポート、Smart Cardスロットが増えた代わりに、SDカードスロットがmicroSDスロットに変わり、RGB端子がなくなりました。たぶんこれで合ってる。あと新規要素はThinkPad Pen Pro-2用のポートですね。

ThinkPad Pen Pro-2は2,048段階の筆圧感知がついた充電式のペンで、専用ポートで充電できるようになっています。これが付いたモデルだったので、最初からペンが入っていました。ペンのプロトコルはWacom AES系のテクノロジなので、Wacomの『Bamboo Ink』も使えます。とはいえChrome OSではふつうのペンとしてしか動きません。

これもChrome OSでは使えませんが、指紋認証がタッチタイプに変わりました。今までのようにスワイプする必要がありません。Windowsへログインするときに便利。

バッテリー稼働時間はだいたい7〜8時間くらいといったところ。1.5〜2時間くらい延びたかなという体感です。こうやってフルデイコンピューティングに近づいて、便利になったなあと思う次第です。

逆になくて不便というか、欲しかったものはUSB-Cポート(PD対応)ですね。あれば本当に100点あげてもいいくらいだった。USB-C PDに対応することによって、ACアダプタのメーカーが問われなくなるというのは本当に重要で、これからは誰かのを10分借りて充電したら3時間動作する、みたいな新時代がやってくるわけですよ。Lenovoはもっと早くこの波に乗るべきだった。

とはいえ、とはいえですよ。ACアダプタもちゃんと考えられてはいるんですね。

新しいトラベルACアダプター

ThinkPad用でコンパクトな純正ACアダプタの定番、トラベルACアダプターを買おうとしたら、『Lenovo 65W トラベル ACアダプター』が『Lenovo 65W トラベル ACアダプター (USB給電ポート搭載)』にリニューアルされていました。USB-Cの時代にあってまだリニューアルされるもんなんですね。


https://www.lenovo.com/jp/ja/accessories-and-monitors/chargers-and-batteries/travel-chargers/PWR-ADP-BO-65W-USB-Adapter-S-JP/p/4X20N21035

若干の小型化が成されていて、ついでにACプラグの部分が簡単に引き抜けるようになって、いわゆるメガネコネクタが現れるようになっています。要するにAppleと同じ仕組みになりました。今までは専用コネクタだったので延長したくともできなかった点が改良されています。
USBポートは、Powered USBとは何だったのかという気持ちにならないでもないですが、ここにあればあったで便利なのでよい改良点だと思います。しかし、全体的には製品名に書かれているUSB給電ポートよりも、小型化とメガネコネクタ化の恩恵のほうが大きいアップデートだと思います。

新しい世代の、変わらないThinkPad

変わり種ギミックを積んで、薄型化のために過去のポートと決別しても、ThinkPadがThinkPadであることは変わらないのだなということを改めて感じます。
仕事のために、安心して使える道具を目指す、その一点においてThinkPad Yoga 260は立派なThinkPadであると言えるでしょう。このマシンは例えばThinkPad 701Csであり、ThinkPad s30であるという、極地を目指した完成形だと思います。

トリコロールのIBMロゴがなくなっても、Lenovoのロゴタイプが変わっても、ThinkPadというDNAはしっかり受け継がれていて、それは堅牢なボディ構造であったり、TrackPointというキーボード作業に集中させるためのポインティングデバイスだったり、業務のコンティニュイティを完遂させるためのバッテリー稼働時間であったり、漆黒のボディに収められる様々な研究成果があるわけですが、それが高次に昇華されたデバイスがThinkPadであると、その昔それらの業務に携わっていたぼくはそう考えています。現役のメンバーたちも同様の思いだと信じています。

米国文化の強い企業体質にあって、12.5インチという『小型』デバイスを出すのは、本当に難しいんです。それらは本国ではいっさい売れないので、利益を出せる構図を持って来いとなります。だからといって超狭額縁で13.3インチを収めてカメラやセンサ類を(設計に比較的余裕のある)画面下部に持ってくるようなことをせず、正々堂々と12.5インチで、タブレットとして使っても余裕のある額縁でリリースした英断は素晴らしいことです。使っていて、ここを妥協したなと感じる部分がいっさいありません。

残念ながら今のところ後継機は出ず(X380 Yogaが実質的な後継機?)、8th gen Coreがいいなーなどと思っていても願い叶わずなのですが、日本向け仕様とされる(小型薄型軽量の)“s”付きモデルの置き換え用として、ThinkPad Yoga 260は充分な正統進化モデルであると感じました。