2018年8月1日水曜日

Panasonic LUMIX DMC-CM1を買った話

ジャンクではないんだけどメインカメラが起動しませんという状態で格安だったので、そこから更に値引いてもらって買ってきて直しました。いやジャンクだよねどう考えても。


絞り羽根が閉塞して固着してしまってどうしようもない状態だったので、カメラモジュールを取り外して分解して羽根を1枚1枚人間の温もりある手作業で整えてやって、元に戻したらちゃんと動いた。
ところで、取扱説明書の45ページに分解方法が丁寧に書いてあって、たとえバッテリー廃棄のためという名目であっても、このような配慮は大事だなと思いました。Appleも見習え。


直して売り払おうという考えだったんだけど、機械として妙に愛着が湧いてしまったのと、写りが結構好みだったのでまあいいかな、と手元に置いておくことにしました。国内限定2000台のうちの1台だしね。

Android端末としての評価

Snapdragon 801, 2GB RAM, 16GB ROM, 4.7inch FHDという感じで、2015年のハードウェアとしては割とハイスペックだったんじゃないかと思います。
Android 5.0.2が最終ファームウェアで、入っているアプリケーションもほとんどはGAppsなので、非常に素直です。Google Earthとか要らんやろ、という気はしないでもないです。

逆に、『コミュニケーションカメラ』と銘打っている割にはTwitterやFacebookといった、当時よく使われていたであろうSNSアプリケーションがいっさい入っていないので、それらは別途入れる必要があります。

バッテリーが2600mAhとちょっと心もとない容量なので、マッハでなくなっていきます。幸いQualcomm Quick Charge 2.0に対応しているので、充電も速いです。

SIMカードのサイズがmicroSIMなので、昨今のnanoSIM全盛の状況では変換アダプタが必須だと思います。

adb shell wm density 380 した結果www

素直なAndroidっぽかったのでだいたいは行けるだろうと思ったら、案の定Panasonic独自実装のカメラアプリがデバイス解像度依存で、小さく表示されるようになりました。
まあ、グリップしたときに普通に邪魔なところにコントロールがあったので、使えるし放置の方向です。

あ、標準のlcd_densityは 480 です。ちなみに最終的に 420 に落ち着きました。

SDカードの規格でハマる

一応公式にはmicroSDXC 128GBまでの動作が確認されているのですが、これが一定条件下になっていてその事実が公表されていません。

SDXCの容量以上、つまり64GB以上のカードはexFATでフォーマットされるのが標準的ですが、これではシステムアプリ以外が正しく扱うことができなくて(選択ダイアログに出てこない)、この機器で正しく扱うためにはFAT32でフォーマットする必要があります。

が、これが意外にこういうフォーマットをできるツールがないもので、USBアダプタ(マルチカードリーダー)に挿して『HP USB Disk Storage Format Tool』を使うことでこの条件をクリアすることができました。難しい。

exFATやNTFSのSDカードにシステムアプリは書き込むことができるのに、Play Storeなどからインストールしたアプリでは外部SDカードを選択できない、という場合はここを疑いましょう(ということがインターネット上でほとんど語られていなかった)。

カメラとしての評価

RAWが撮れるわりにRAW現像アプリが入ってないのは何なの、という感じはありますが、カメラとしての発色は、非常に日本人の好む暖色系の表現が得意なレンズです。
DC ELMARIT 1:2.8/10.2 ASPH. と銘打たれたLeicaレンズは、実際のLeicaのELMARITと同じく非球面レンズを中軸に組まれたレンズで、そのダイナミックな階調表現をよく再現していると思います。

標準角換算で28mmという広角レンズは、今となってはスマートフォンのカメラとしては特徴ある画角ではないので、あとの焦点は表現の幅がどれだけあるか、というところになります。

いくつか作例を。

作例: 食べ物

作例: 定点 昼夜景

作例: ハイダイナミックレンジ

作例: 屋外と室内

パッと見てお気付きかもしれませんが、階調表現が非常にうまいカメラです。ダイナミックレンジが広いし、それはHDRを効かせるとより広がります。また、無限遠では本当に遠くの細かいところまで解像感のある描写が印象的です。1インチと大きめの撮影素子を、伊達ではなくうまく使いこなしているなという感想です。

単焦点レンズですが、いわゆるデジタルズームができます。iAズームと表される2倍までのズームは、等倍の画像から切り出すタイプのズームです。それ以上は等倍の画像をソフトウェア処理で拡大する超解像ズームになります。カメラとしては正直iAの領域だけで充分ではないかと。

操作体系は、コントロールリングと音量キーそれぞれに別々の機能を割り当てられるので、特に横持ちしたときに威力を発揮します。それぞれF値(or シャッタースピード)と露出とかに割り当てると便利じゃないかと。

また、写真表現を広げる系の機能がクイックメニュー(Q.MENU)、操作体系や機能設定がメニュー(MENU)として分けられているのも、覚えると非常に分かりやすいです。

最近のカメラとしては珍しい部類ですが、いわゆる手ブレ低減機能がないので、今のシーンで手ブレしないモードを、ユーザーが自分の頭で考える必要があります。三脚穴がないので常に手持ちだというのもポイントです。

あると便利な周辺アクセサリー

便利だなと思ったアクセサリを紹介します。

必携だと思います。マストバイ。

これはOLYMPUS Mズイコーレンズ用のレンズフードなのですが、径が合うのはもちろんのこと、高さがちょうどDMC-CM1のレンズが突出したときにぴったりで、レンズの保護目的にもちょうどよいです。問題としてどこも赤と白くらいしか在庫がありません。

CM1/CM10向けアクセサリを多く作っている、Turtlebackさんのフードカバー ( https://www.matenro.hk/collections/for-panasonic-lumix-dc-cm-1/products/hoodcover-cm1 ) とほぼ同寸法だと思います。こちらは黒ですね。

ダイヤルリングとレンズフードの間に、ネジ類が露出するのはかっこ悪いので、シボ加工のある黒い合成ゴムシートを丸く切り抜いて目隠し兼装飾にしました。赤がいいアクセントになっていると思います。

ちなみに、どちらのフードも上面の径は28mmなので、28mmのフィルタを探して取り付けるか、28mm-37mmくらいのステップアップリングを用意して37mmのフィルタを付けるか、という感じになります。

なお、Turtlebackさんには37mmのエクステンションチューブもあるので、そのまま37mmのフィルタを取り付けることもできます。

エクステンションチューブの代替としては、MCプロテクターなどの安いフィルターを買ってガラスを抜く、というのもアリだと思います。

こういう感じです(SONY MC PROTECTOR 37mm)。

実際に装着すると、こんな感じで上位のフィルタにはレンズはぶつかりません(フィルタはSONY MC CIRCULAR PL 37mm)。フィルタ2段がけの要領ですね。

Kenkoの28mmフィルタです。28mmはあまり種類が出回っていないので、代表的なフィルタはこれくらい。
MCプロテクタは正直要らんかなという気もしますが、サーキュラーPL(C-PL)はコントラストの向上や映り込みの除去が簡単にできるので、このカメラに限らずおすすめです。

NDフィルタは、ND4なので日中などで露出をあと4段落としたい、というときにどうぞ。なぜかND4しかない……。
// あと残るはクロススクリーンとソフトンくらいなので、それくらいのフィルタはPhotoshopでフィルタ処理すればいいような気がします。

ステップアップリングです。37mmはいわゆるコンバージョンレンズがそれなりに豊富です。
49mmはぼくのメインカメラでいちばん手持ちフィルタが多い筒のサイズなので、これは好みと手持ちの問題ですね。

37mmのコンバージョンレンズで定番シリーズを。フィッシュアイは好みによりけりだけど、広角マクロと高解像望遠の2本はあると便利じゃないかなと思います。

こうなると37mmのフィルタも欲しくなってくると思うんですが、そこは各自お好みでどうぞ。