2018年10月26日金曜日

SHARP ハンディワープロ Pen書院 パームサイズワープロシステム WV-S200

ジャンク屋で懐かしいものを見つけました。シャープのA5ファイルサイズ小型ワープロです。1992年製、付属の128“KB” 拡張メモリには“4年”にCR2016バックアップ電池を交換したという手書きの文字があるので、少なくとも平成4年(=1992年)には実際に使われていたものなのでしょう。いつくらいまで使われていたものなのかは計り知れません。純正のケースやマニュアルもあり、前オーナーの手で大切に保管されていたことだけはわかります。

ぼくもその当時、編集部から借りたこの機械を使って雑誌の原稿(ポケコンのソースの解説など)を書いていた記憶があります。有線接続のペンがあり、ペン入力ができます。

フロッピーディスクドライブも付属していました。今となってはメディアを探すほうが大変な歴史的遺産です。

単3乾電池4本で公称27時間駆動する、現代にはないタイプの機械です。このころはこういう機械がたくさんありました。シャープはオンリーワンであるために、ペン入力や小型軽量な機種をたくさん出していた時期だったと思います。ワンサイズ大きい、B5サイズの機種もあったと記憶しています。

当時は単3乾電池も100円で売られているようなころではなく、Ni-MHの充電池でなんとかやりくりしたり、単1乾電池を並列でつなぐ外部バッテリー(通称: 爆弾電池)を作ったり、いろいろ工夫をしていました。

単3電池が本体に入ったままになっていて腐食しており、そのままでは電池駆動ができませんでした。接点を磨いたりして復活させました。内部には 92/03/08A のラベルがあり、1992年3月8日の午前に製造されたロットと思われます。

ThinkPadの中でも小型の部類に入る、ThinkPad X120eと比べてもこんなに小さいです。日本のThinkPadの始祖となった(※初代ThinkPadであるThinkPad 700は、日本ではPS/55 Noteとして売られた)、ThinkPad 220などと同クラスのサイズだったと思います。

ワープロのシステムとしては、当時の大型機で標準的だったモノクロ(2階調) VGAの画面を持っていて、他社のハーフサイズVGA (CGA)のハンディワープロと差別化されていたように記憶しています。なお、いわゆる2000年問題を起こすのではないかと思ったのですが、2018年の日付を設定しても正常に動作しており、少なくとも2038年までは大丈夫なのではないかと思います(稼動するかどうかはともかくとして)。

ワードプロセッサとカルク(表計算)、いわゆるPIMシステム(予定表や電話帳などのパーソナル手帳システム)が搭載されていて、パソコン通信(インターネット以前の、BBSシステムの巡回・閲覧)などもできます。

電子手帳(シャープ社のZAURUSではなく前身のPAシリーズ)とのコネクタが存在し、電子手帳とPIMを同期できるシステムが搭載されています。ここで同期したカレンダーや住所録などの情報をホーム画面に表示したり、情報をリンクしたりできます。

こう考えてみると、意外と現代的なシステムでもあり、明らかに異なるのは現代はワイヤレスで・手のひらの上ですべてが完結するということです。このようなコンソール画面に向かってキーボードを打つことも少なくなりました。ただ、我々が当時思い描いていた一般的な2020年の未来像は、HMDであり、空間キーボードであったと思うので、現実はちょっと思ったものとは違いましたね。