角川アスキー総合研究所主催の『Huawei MateBook X Pro 全員レビュー会』という会合へ行ってきました。表題の機種を会場全員でレビューする、という会です。
当日の模様のTwitterハッシュタグは #matebookXpro なので、そこでも見られます。
一応デザイン・画面・サウンドの3テーマが話のおおまかな流れなので、それらについて触れましょうか。
デザインについて
デザインに関しては、全体的には悪くはないものの、Huaweiのロゴが旧ロゴで、第8世代Intelプロセッサ搭載にリフレッシュされたのにロゴが古いというのが非常に気にかかりました。あと、最近の薄型化の傾向からすればちょっと分厚いかな。
ただ、薄型機でもUSB-A端子を搭載するという点に妥協していなくて、未だUSB-Aの周辺機器はたくさんあるので便利、という声が多かったように思います。ぼくはUSB-Cだけでも生きていけるので、薄いならあってもなくてもどちらでもよいです。
USB-Aがあることの会場でのメリットは、ぼくは“他のOSのブートが試せる”という点だったと思います。UEFIの設定に入ると、Secure Bootを切ることができます。
切ってCloudReadyのUSBメモリを挿してブートしてみると、タッチパッドもキーボードも正常に動いて、最近流行りの独自I2Cではないのだな、ということがわかりました(※PS/2接続です)。
デザインとして、角がダイヤモンドカットになっているのですが、ここを褒める声は多かったものの、ぼくはこれすぐ傷だらけになるので好きではないです。やめたほうがいい。
画面について
画面解像度が3000x2000と、3K液晶なのでドットピッチも細かく、DCI-P3・HDR10対応っぽくてHDRコンテンツを表示した際にメリハリのある描写が可能です。
もっとも、ぼくはCloudReady起動の際の画面の広さのほうが大事で、これくらい広いとCxOSでの夢が広がりますね。ただ、最近は高解像度化が進んでいるので、そこまで特筆すべき点とは思いませんでした。
独立GPUのGeForce MX150 (1D12)を積んでいて、Intel UHD 620とのディスクリートグラフィックスです。まあ、GPUとしては正直しょぼいのですが、この大きさでディスクリートなのは珍しく、3Dコンテンツの際は活きてくると思います。残念ながら、その手のコンテンツが導入されていないので、何もできませんでした。
Twitterでは「マイニングも試せないような人間にレビューさせるな」みたいな過激な声が聞かれました(いやあ、それ2時間正味1時間半じゃ無理やろみたいなお気持ち)。
内部の分解写真から察するに、大型のヒートパイプが入っており、CPUとGPUを強制冷却しています。ファンは最近はスタンダードなフクロウフィンなので、たぶん高回転時もわりと静かでしょう。
サウンドについて
また、ここも最近流行りのDolby ATMOS対応機で、ステレオスピーカーは1W+2W構成(たぶん)のツイーター+ウーファーの2.1ch構成です。こういう薄型期にしては珍しく底面サイドにサブウーファーを積んでいるので、重厚感のある疑似立体音響が試せました。
この端末で映画を見るかどうかはともかくとして(ぼくは画面もでかいのでアリだと思います)、オールレンジのステレオスピーカーだけの機種と比べると確かにサウンドシステムっぽくなっています。
こういう機構がいるかどうかに関しては、ぼくはなくてもいい派ですが、差別化ポイントとしてはありだと思うんですよ。店頭で「売りはなんですか」という声は多いはずで、そこでサウンドって言えるのは結構目立ったポイントだと思います。
気になったところ
SSDがLITEONで、しょぼい! こういうところでコストを下げるのはやめてほしい。
一方、入力デバイスがPS/2接続なので反応速度としてはもっとも速いはずで、GeForce MX150とも相まって持ち歩き用のゲーミングデバイスとしても案外行けるのではないかという感を持ちました。
キーボードといえば、貸出機がUS-ASCII配列だったのですが、このまま出してほしいですね。日本だからといっていちいちJISにする必要ないし、それをやるなら我々にも選択肢を出してほしい。海外販売モデルをそのまま持ってくるだけの話だし、需要が大きいのはAppleやLenovo、HPあたりの販売モデルを見ても明らかですよね。
20万円を超える価格想定の端末なので、中堅クラスのビジネス用途でも使えるんじゃないかと思うのですが、その場合にHDMIポートがないことは気になりました。プレゼンでも使いますし、せっかくのDOLBY ATMOS対応機なので、ホームシアターに出したりしたいと思うんですよ。そのときにUSB-Cから変換するのはスマートではない。
基板はかなり小型高密度実装なので、要するに何を削るべきだったかというとウーファーですね。これがなければポート類を充実させられたと思います。
あとまあ、致命的なのはとにかくロゴが旧ロゴなことで、これってCIとしても重要だと思うんですよ。これを統一させられずに何が企業なのかって話です。
LenovoだってIBMロゴを撤廃した際に、従業員と店頭在庫のすべてのThinkPadのロゴ部分を貼り替えさせたくらいだし、企業イメージを軽視しがちな中国企業だからといって妥協すべきではなかったと思う。