x86なAndroidタブレットなのですが、Windowsを入れられるらしいから冬休みの自由研究用に持って行ってよと言われました。こんにちは、便利屋です。
Halo Keyboardと呼ばれる、おおよそフルサイズのタッチキーボードが特徴的な360度ヒンジのクラムシェル型タブレットです。キーボード側はペンモードに切り替えることもできて、そうするとなんとfeel ITなペンで落描きができるようになります。
結論としてWindowsを入れることはできるようなのですが、この特徴的なキーボードは動作しないっぽくてそれだとだめじゃんというのが今のところの感想です。このキーボードなにげにわりと打てるのでそんなのもったいない……
気を取り直してAndroid端末として見ると、Atom x5なAndroid 7.1.1で10.1型FHDのクラムシェルということになるので、かなり珍しい部類の端末になると思います(しかもペンで描ける!)。ヒンジがYogaスタイルなので、形状の変化を検知して最適な画面表示にしてくれたり、細かなカスタマイズが入っています。小型なので膝上で使いやすく、見た目ほど悪くないキーボードも相まって、しばらく使ってみようかなみたいな気持ち。後継のC930はキーボード側がE-Inkになって様々な表示ができるようになったので、正統進化だし欲しい。
ペン端末としては、画面側はペンには反応せず、キーボード側がグラフィックタブレット的に使えるようになるという感じです。画面側で拡大縮小したり範囲移動したりしながら、キーボード側で描画するというスタイル。今となってはちょっと変則的に感じますが、昔はみんなこうだったよなという方式ですね。
feel ITなので入りと抜きが苦手なところはありますが、筆圧関知に関してはピーキーということもなく、正確な描写が期待できます。ただ、ARMではないので最適化されたグラフィック系アプリがあまりなく、Photoshop Sketchが結構頻繁に落ちまくります。ちょっと他のアプリを探さないとならないですね…… 初期導入にArtRageがあるのですが、合わないんだよな、、
一方、テキスト入力端末として見た場合のこの端末ですが、こんなキーボードなのにこれが結構打てるんですよ。嘘みたいに正確に打鍵できるので、我々が凹凸のあるキーボードでないと打てないと思っているのは実は目の錯覚で、本来あの突起はいらないのだなということが分かります。ホームポジションさえ把握すれば本当に何の苦もなく日本語入力を行うことができます。配列はLenovo伝統の配列なので、キーボードに定評あるThinkPadのユーザーになじみやすいというのが最大の皮肉です。
これは、キーボード上でのミスタイプをある程度学習して補正するロジックが入っているからでもありますが、タッチタイプをできる人間であればそもそもほとんど間違うことのない標準的なキーボード配列であること、そしてできない人間であれば手元を見るのでそもそもタイプするキーを間違わないという2点が大きく作用していると思います。主要キーのピッチを確保しているぶん、[-] や [=] が小さくなってしまっているのは惜しいところ。
触覚フィードバック設定も存在していますが、ぼくはこれを最初のうちはONにしていたものの、今はなくともほぼミスタイプがなくなってしまったので、常時切って運用しています。iPadのソフトウェアキーボードも慣れるとかなりの速度で入力できるようになるのですが、あれと違って画面内の表示面積を専有しないので、長文を見通しながら入力できるのはとても大きな違いです。
一方、キーボードからドロワーを出すこともできるのにアプリ履歴にアクセスするキーがないので、『Button Mapper Pro』でホームキーの長押しにアプリ履歴を割り当てました。あと、Deleteキーの長押しをスリープボタンに割り振りました。スリープ状態からキータッチで起こす設定は、本体の設定にあります。これでキーボード面だけで様々なことをできるようになりました。
重量も755gと軽いので、タブレットとしてよりはクラムシェルとして見るほうがよい端末だと思います。タブレットとすると超重量級。USBポートがmicroUSBなので、OTGケーブルやmicroHDMIケーブルがないと外部接続がままならないのは、Type-Cでなかった大きな代償です(※後継モデルではType-Cに改善されています)。